
智くん・・・・俺と話はしてくれる
だが、俺との関係は・・・覚えていないかのように
まるで想いが通じる前の智くんのようで
ダメだ・・・気持ちが付いていかない
俺とのことを忘れてしまったなんて信じたくない
松潤とニノが話したいのはそのことなんだろう
頭を打ったせい?精神的なダメージ?
どちらにせよ・・・今はどんなに欲したって
傍にいることは叶わない
そうさせた原因は俺だから
もう一度やり直せるのなら
そう・・・もう一度はじめからやり直すことが出来るのなら
違う未来があるのかもしれない
なんて・・・勝手だよな
智くんを追い詰めたのは結局俺だ
どうしたらよかったんだ?
何が正しかったんだ?

智くんがそれを望まないのに
無理強いすることはもうできない
俺は・・・一度智くんの手を取った
離すつもりなんてなかったのに
結果離すことになってしまった
俺の想いは変わらないこの先もずっと
でも、智くんが俺といると辛いというなら
俺は・・・・
「ニノ・・・俺は誰かを好きだった気がするって
前に話したよね、・・・誰なのか教えてほしい」

「聞いて・・・どうするんです?忘れてしまったのなら
そうなる理由があるはず・・・それを受け止めることが出来ますか?
その覚悟がないのなら、今のままでいた方がいい気がします」
「ニノ?・・・」
「大野さん・・・仮にその人を教えたとする、元に戻れなかったら
どうする気?その人のところへ戻れなかったら・・・」
「潤・・・二人とも知ってるんだね、俺の夢に出てくる
顔の見えない人が誰なのか」
「あぁ、しってるよ
幸せそうに笑ってる二人を俺たちは知っているんだ」
「・・・・・翔ちゃんも・・・その人のことしってるの?」

大野さん・・・本当に覚えていないんだね
「・・・・・知ってる、一番知ってると思うよ」
「そう・・なんだ、翔ちゃんも知ってるんだ・・・
俺はその人を大切にできていたのかな?」
・・・・・していたさ、深い愛情で包んでいた
決して離れない絆で結ばれている
きっと今も
そう、信じたい