昼過ぎ・・・翔さんに会いに行った
遠目からでも眠っていない様子の
疲れ切った翔さんの姿が痛々しかった
「翔さん!!」
「ニノ・・・・松潤・・・」
何かを言いたげな視線を送ってくるが
それ以上何も言わない翔さん・・・・
その態度に、抑えていたものが爆発する
「翔さん!!!どうしたの!なんで連絡しても返事しなかったの!」
「ニノ・・・・」
「何か交換条件でも出されたんだろ?事務所側に」
「松潤・・・・」
「なんだよ交換条件って!!なんでそこまでされなくちゃいけないんだよ!」
俺は納得がいかず翔さんにあたっても仕方がないことを承知で
当たり散らす
そんな俺を・・・翔さんはただ黙って聞いているだけ
見かねたのか、潤くんがそれを遮る
「ねぇ、その交換条件・・・教えてよ、なんて言われたの?」
「・・・・・・・・・・・。」
「翔さん!大野さんがどれだけ心細い思いしてるのかわかる?」
「・・・・・・・・・・・。」
「翔さん!!!答えろよ!!!」
「・・・・智く・・大野さんは、無事だったんだね・・・よかった」
そう力なく言うとそのまま席を立って衣装に着替え始める
その背中は・・・・なにも聞くなと言わんばかり
怒りで震えているようにも見えた・・・・・
明らかに・・・何かを隠している
でも・・・それは望んでいることではないのだろう
それ以上声をかけることが出来なかった
「ニノ・・・いこう。今は時間を置いたほうがいいのかも知れない」
「翔さん・・・・・・」
大野さんの入院は極秘に処理されて幸いスケジュールはずらせば
何とかなりそうな内容で公にされることもなく
ごく一部の人間しか知らないことになっていた
潤くんの機転と対応の速さが功をそうしたのか
翔さんの・・・・条件にもかかわっているのか
わからないけれど・・・・
このままじゃ俺はイヤダ・・・
この異様な空気がまとわりついて
俺を苛立たせる・・・・
俺たちは一つなんじゃ無かったの?
誰が欠けても俺たちじゃないから
嵐じゃなくなってしまうから
どうにかしたい・・・俺たちにできることがあるなら
手遅れにならないうちに・・・
翔さん・・・・