「リーダー・・・翔さん帰ったよ」

「・・・・・・・。」

「起きてるんでしょ?」
 

「・・・・・・・。」

「ねぇ、後でゆっくり話しをしたらいいよ、疲れてるときには
ろくな答えなんか出ないから、少し休んでいくといい・・・・」

「・・・・・・。」
  
 

「だんまりか・・・フッ
ここからは、俺の独り言だから気にしないで
翔さん・・・社長にリーダーとのこと話に行くって・・・わかってもらえるまで
何度でも説得するって・・・・マジな顔してたから多分明日にでも行くんじゃない?
どうなってもいいって思ってるわけじゃないけど・・・隠すのやめるんだって
堂々としたいみたいよ
やっと腹くくったかって感じ?結構・・・感動してるんですけど俺・・・」

「・・・・メ・・ダ・・・・」

「えっ?・・・リーダー?」

「ダメだ!!!そんなことしたら・・・・」

「あっ、ちょっと危ないよリーダー!」

フラフラとベッドを抜け出しそのまま
玄関に向かうリーダーを

止める

「そんな身体で翔さんを追いかける気?」

「離せ!間に合わなくなるだろ・・・!」

俺の手を振りほどこうとするリーダーを
俺も必死で止める

「今出ていったところで、なんの解決にもならないだろう?
それに・・・こうなることを望んでいたんじゃないの?だから忘れたんだろ?
あれ・・・。事務所から翔さんに渡されてるよ、リーダーの思った通りにね」

「・・・・・そうじゃない。、俺はあいつの・・・・あいつのために」

力が抜けていくリーダは・・・本当に軽くて壊れそうだった

「俺が幸せにしたかった・・・だから贈りたかった
でも、それは違ってたんだ・・・俺じゃない、俺じゃないんだ!だから離して」

「リーダー・・・」


なんでだよ・・・・どうしてこうなっちまうんだよ
二人の想いは同じなのに・・・・
それ以上・・・立ち入ってはいけない
二人の問題に掴んだ手を離した・・・・

そのまま、リーダーは俺の横をすり抜け出ていった

「松潤・・・・ありがとう」
そう言って・・・・・
 


手を離してしまった・・・・俺は
いやな胸騒ぎがして・・・・すぐにリーダーを
追いかけた

そして
見てしまう・・・・

吸い込まれるように青信号で
駆け出すリーダーの真横から近づく影が
重なる瞬間を

倒れ込むリーダーがスローモーションのように映しだされる

「リーダー!!!」

心臓が凍り付く

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病院の待合室で
到着を待つ・・・・・治療中のリーダーの容体は
まだわからない

でも、うわ言のように翔さんの名前を呼んでいた
繰り返し何度も

正直・・・・憎らしいほど
妬けた

こんなになっても
思われてる翔さんを羨ましく思った
こんな時に不謹慎だって分かっていても

心は正直だから



「潤くん!・・・・大野さんは!!」

息を切らせてニノが走ってきた

「相葉さんには仕事が終わってから伝えるように
言ってある、翔さんは?」

・・・肩で息してる、随分走ったんだな

「分からない・・・電話には出なかった留守には入れた
メールも送ったけど返信がない。
多分社長のところにいるはずなんだ・・・」

「なにやってんだよ、こんな時に!!!」

苛立つニノを宥める・・・・

事務所の関係者が次々到着する
俺は状況を説明するために席を外した

後をニノに任せて・・・


俺の・・・せいだ・・・リーダー

あの時引き留めておけば・・・・こんなことにならなかった

「クソッ!!!!!」

やり場のない怒りだけが残った・・・