慌てて取りだすとニノからのメール
「ディー・・・点?ゼロ・・・ジー・・?」
ニノならありえる!
とびぬけ、今日は
ひねくれてるから素直に教えるはずない!
なんだ?数字に置き換えて
考えろ!
落ち着け、落ち着け・・・・
「ウォ~~~シ!!!」
一際でかい声を張り上げガッツポーズ!!
一瞬、場が静まり返る
周りの目なんか気にしない!
いや、もはや気にならない!!!
再び、エレベーターホールに飛び出て
のぼりの階を押し続ける・・・・
早く来い!Halley up!!!
開いた扉から降りてくる人をかき分け中に滑り込む
今日の俺は非常識人間の何ものでもない
「櫻井 翔」と気づかれ様が無視を決め込む
悪いがそんな余裕すら今は無い!!!
急く気持ちを抑えきれず
「31」のボタンを押し続ける
俺の天使に会うために!
ようやくたどり着いたそのフロアー
シーンと静まり返っている
急いで部屋番号を確認する
この階に間違いない・・・
どういう訳か緊張している俺
もしかしたら・・・もう部屋にはいないかもしれない
そんなことを思いながら探す
・・・あった!ここだ!!
何度も部屋の番号を確認する
鼓動がやけに大きく聞こえてくる
来たはいいが、逆にお邪魔虫的なことになってたら?
などと不安要素だけがグルグル頭の中を駆け回る
しっかりしろ俺!!
ガチャリ
ドアが開く
部屋の中は薄暗く
東京タワーがやけに綺麗に輝いていた
奥へ進むと薄明りの中で
横になっている人影・・・
恐る恐る近づいて顔を覗き込む・・・
「智・・・くんだぁ・・・」
思わず声を上げてしまった
と、同時にどっと押し寄せてくる
疲労感・・・
安心したせいか今頃になって
足が痙攣してきた
「結構走ったもんな・・・俺(笑)」
智くんが起きないように
その場を離れた
部屋の中を見回すが二人の姿はなく
智くんの寝息だけしか聞こえてこない
「帰ったのか・・・」
回りくどいやり方に翻弄された俺・・・
「ん?・・・・・・・」
だが、どうやら本気の贈り物だったらしい
テーブルの上にこんもり置いてある
真っ赤なバラの花束に
メモが付いていた
一日早いけど我々からの贈り物だ!
ありがたく受け取れ!!
PS・明日は二人とも無職だ!!!以上 』
粋な計らいに自然と笑みがこぼれた
最高で最強のライバルたち!
もとい、天邪鬼たちに感謝!!


