「・・・失礼しました」

重い足取りで応接室から出る・・・
そんなことってある?
俺、どうしたらいいんだ・・・
受け取った忘れ物は
握りつぶされた後の残る
小さな青い箱
中身を確認して元に戻したそうだ
俺はこの中身を知らない
知りたい・・・けれど
智くんが持っていたものであるのなら
勝手に詮索してはいけない気がした
届けてくれた運転手の話だと
少し疲れた顔で行先を告げた後
思いつめたようにその箱を
しばらく手にとってみていたと
支払いを終えて降りるときに
忘れたのではないか
そうしてわざわざ届けてくれたそうだ
問題は、なぜ俺が呼ばれたのかということ
事務所に着くと社長は急用で不在
代わりに秘書が待っていた
社長からの伝言だといって話し始めた
あれこれ色々詮索され
「今現在大野さんに付き合ってる人間はいますか?櫻井さんは
大野さんから一目置かれている、何か心当たりは・・・」
等々、矢継ぎ早に質問攻めにされた
内心冷や汗が止まらなかった
一緒に生活していることを
彼らは知らないのか、知っていて聞いているのか
変に勘繰られても困る
どう返事をしていいものか
言葉に詰まる俺に意外なことを聞いてきた
「松本さんと大野さんはどんな関係?」
「えっ、それはどういった意味でですか?」
「実は、タクシーが止まった場所が松本さんのマンションの前だったので・・・」
松潤のマンション・・・・
智くん・・・・そこにいるの?
二人きりで・・・・
なんで?
「その忘れ物が松本さんへの物ならば・・・事情を聴くようにと」
何を言っているのか理解できない
言葉が頭の中を素通りしていく
これを智くんが
松潤に・・・贈るつもりだった?
そうじゃない!
これはきっと俺に・・・・
俺に・・・贈るつもりで用意してくれたもの
そうでしょう?
智くん
「松本と大野の事と、この忘れ物とはどんな関係があるんです?」
「・・・指輪を送る相手、と言えばわかりますか?」
指輪・・・・?
「しかもペアリングですから。櫻井さんもご存知の通りこの世界で
同性に熱を上げることはよくある事。ですので社長も心配しています」
智くん・・・・
結婚式に持ってきてくれていた
ぺアリングを・・・・?
それなのに
俺は、心にもないことを言ってしまったんだ・・・
クソッ!!
早く智君のところに行かなくちゃ!
席を立とうとしたとき
「しばらくの間、大野さんは送り迎えをこちらでさせていただきます」
「えっ?」
「櫻井さんの自宅からも何度か出るところを確認していますので、当面
出入りは控えていただきます」
・・・・そんな
「メンバー同士で寝泊まりすることは良くあります
それでも監視されないといけないのですか?」
「・・・念のためだとおっしゃってましたので
確認が取れるまではこちらの指示に従っていただきます」
反論できない自分が歯がゆく
一般的にはやはり祝福され無い関係性なんだと
改めて思い知らされた
半端な気持ちじゃ不幸になる
幸せにするって決めたんだ
こんなことで壊れてたまるか
「それから・・・櫻井さん
キャスターをしている立場を心してください・・とのことです」
・・・・
なんだ?これは
どうなってるんだ俺は牽制されてるのか
早く智くんを迎えに行かないと
松潤・・・
逸る気持ちとは別に
この事をどうやって伝えればいいのか
わからないでいる自分
・・・・・俺はどうすればいい
重い足取りで
部屋を後にした

重い足取りで応接室から出る・・・
そんなことってある?
俺、どうしたらいいんだ・・・
受け取った忘れ物は
握りつぶされた後の残る
小さな青い箱
中身を確認して元に戻したそうだ
俺はこの中身を知らない
知りたい・・・けれど
智くんが持っていたものであるのなら
勝手に詮索してはいけない気がした
届けてくれた運転手の話だと
少し疲れた顔で行先を告げた後
思いつめたようにその箱を
しばらく手にとってみていたと
支払いを終えて降りるときに
忘れたのではないか
そうしてわざわざ届けてくれたそうだ
問題は、なぜ俺が呼ばれたのかということ
事務所に着くと社長は急用で不在
代わりに秘書が待っていた
社長からの伝言だといって話し始めた
あれこれ色々詮索され
「今現在大野さんに付き合ってる人間はいますか?櫻井さんは
大野さんから一目置かれている、何か心当たりは・・・」
等々、矢継ぎ早に質問攻めにされた
内心冷や汗が止まらなかった
一緒に生活していることを
彼らは知らないのか、知っていて聞いているのか
変に勘繰られても困る
どう返事をしていいものか
言葉に詰まる俺に意外なことを聞いてきた
「松本さんと大野さんはどんな関係?」
「えっ、それはどういった意味でですか?」
「実は、タクシーが止まった場所が松本さんのマンションの前だったので・・・」
松潤のマンション・・・・
智くん・・・・そこにいるの?
二人きりで・・・・
なんで?
「その忘れ物が松本さんへの物ならば・・・事情を聴くようにと」
何を言っているのか理解できない
言葉が頭の中を素通りしていく
これを智くんが
松潤に・・・贈るつもりだった?
そうじゃない!
これはきっと俺に・・・・
俺に・・・贈るつもりで用意してくれたもの
そうでしょう?
智くん
「松本と大野の事と、この忘れ物とはどんな関係があるんです?」
「・・・指輪を送る相手、と言えばわかりますか?」
指輪・・・・?
「しかもペアリングですから。櫻井さんもご存知の通りこの世界で
同性に熱を上げることはよくある事。ですので社長も心配しています」
智くん・・・・
結婚式に持ってきてくれていた
ぺアリングを・・・・?
それなのに
俺は、心にもないことを言ってしまったんだ・・・
クソッ!!
早く智君のところに行かなくちゃ!
席を立とうとしたとき
「しばらくの間、大野さんは送り迎えをこちらでさせていただきます」
「えっ?」
「櫻井さんの自宅からも何度か出るところを確認していますので、当面
出入りは控えていただきます」
・・・・そんな
「メンバー同士で寝泊まりすることは良くあります
それでも監視されないといけないのですか?」
「・・・念のためだとおっしゃってましたので
確認が取れるまではこちらの指示に従っていただきます」
反論できない自分が歯がゆく
一般的にはやはり祝福され無い関係性なんだと
改めて思い知らされた
半端な気持ちじゃ不幸になる
幸せにするって決めたんだ
こんなことで壊れてたまるか
「それから・・・櫻井さん
キャスターをしている立場を心してください・・とのことです」
・・・・
なんだ?これは
どうなってるんだ俺は牽制されてるのか
早く智くんを迎えに行かないと
松潤・・・
逸る気持ちとは別に
この事をどうやって伝えればいいのか
わからないでいる自分
・・・・・俺はどうすればいい
重い足取りで
部屋を後にした