
時間になり、俺等は最後に
式場内に案内された
緊張気味の翔くん・・・
顔が堅い・・・ふふふっ、
俺は・・・こうして誰かの式に出席することなんて
メンバー関係でもなければ一生ないだろうなって
思っていたから、こうして普通に参列できることが
すっごく嬉しくて、マジ感動してる。
しかも・・・目の前には(微笑)。
多くを考えるのはよそう
だんだん欲張りになって行く
彼女の計らい?で
この席には、二人だけ
つい立てを挟んだ奥にマネージャーたちの席がある
式の進行に合わせてなぜだか俺の心臓もうるさくなっていく
突然、翔くんが口を開いた
「智くんさ・・・もし、もしもだよ、
俺が結婚したらどうする?」
「えっ!結婚って・・・誰と?」
「ふっ、だから、誰かと結婚したら。」
・・・・・えっ、これってどう答えるの?
ってか、なに?突然!!誰かと結婚って・・・なんだよ・・・それ。
「ゴメン、そんな顔しないでよ(笑)例えばの話だからさ!」
何でそこで、笑えるの?
俺は全然笑えないよ
「・・・・笑うなや。」
それが精一杯の答えだった
「智くん?どうしたの・・・」
どうしたのじゃないよ、なんなの?
さっきまでのウキウキしていた気分が
根こそぎもぎ取られ
俺のちっぽけな夢も影をひそめてしまった
ダメだ、俺。
なんだか無性にイライラしてる。
すぐにでも・・・帰りたい気分だよ。
でも、彼女の晴れ姿にケチつけられない
何で、今そんな話すんだよ、翔くん・・・
そんな中、式は滞りなく進み
険悪なテーブルをキャンドルサービスがまわってくる
精一杯の作り笑いを向けて
彼女を祝福した
もっと心からお祝いしたかったのに
翔くんのバカ・・・・・