あの頃・・・⑥



じたばたしていた智くんも

観念したのか俺にすっぽりおさまってくる


嬉しくて、息をすることすら

忘れてしまうくらい



智くんの反応がみたくて一度唇を離せば、

そんなあなたからでた言葉に

やっぱり目尻が下がる俺!


「翔!人の話は最後まで聞けって!

せっかく買ったケーキ落ちちゃっただろう!!」



見ればさっき智くんが持っていた

可愛らしい小箱が俺の足下に落ちていた。


どうやらテーブルの端にあったのを

俺がぶつけて落としたらしい


落ちるっ!!ってさっき言いたかったんだ!


ふははぁ、行為そのものがNGじゃなかったんだね(嬉)



「これ、一人で食べるつもりだったの?」


「・・・そっ、そうだけど」



なんだかんだ言ってまだ俺の腕の中で


膨れっ面している智くん



あまりの可愛さにそのホッペに

チュッっとすると


「だぁ~・・・やめろって(照)・・・」




腕からすり抜けて大事そうに拾い上げる


可愛いらしい小箱



一瞬戸惑ってるように見えたが


くるりと振り向き


「いまから食う!!翔くんコーヒー入れて!!!」


へっ??


いきなりの命令口調に、い、今までの

甘い二人の流れはいずこへ???


だが俺はこの智くんに偉く弱い

言われるがまま支度をし・・・・って

どこに何があるかわっかンないし!!


ブツブツ言いながらキッチンをガさ入れすれば


何してるんだ!とおしかりの言葉・・・



コーヒーメーカーを出してもらい


特別ブレンド櫻井versionを入れさせていただく!


んん・・・良い香り!




智くんは・・・何やらガサゴソと二人分の皿をだし


ちっさなシャンパンを・・・ってそれ

お子様用じゃね???



「あれ??あぁ!・・・」


ふふっ、気づいちゃった?

智くんよっぽど急いでた?


包みに戻して袋にしまう・・・


クックックッ・・・


ヤバイ笑いが止まらない・・・


知らない振りしてあげるよ(笑)

今日は特別の日だからね・・・



さっきの反応・・・いいんだよね?

お付き合いで?

ちゃんと確認しなくちゃ!



でも・・・

一人分のケーキに皿二つって?

口つけたのだっていいのに


俺は気にしないよ・・・



「はい、智くん入れたよコーヒー!」


「あぁ、・・・サンキュウ!」



可愛らしい小箱が開けられる



さっき落としちゃったからつぶれちゃってるよね


ごめん智くん・・



覗き込む智くんにとびっきりの笑顔が戻る


「奇跡だ!みて翔くん!!」


 

 

 


一人で食べるのに二つ買って

箱に入れてもらったらしい

落ちた衝撃でくっついて一塊になってるという


「ふふっ・・・俺たちみたいだね(笑)」



・・・・・・さ、智くん(嬉)


自分で言っておきながら

照れる智くんが


 

 

 

 

 

 

 


もう、もう、もうぉ~~~

可愛すぎだ~~~!!!