sho to satoshi vol.15



夢心地でいる二人・・・


どちらともなく距離をとる


「なんか・・・照れるね」


そう言って俯きながら優しく微笑む翔ちゃん・・・



ん?・・・


「翔・・・ちゃ・・ん?それ、どうしたの?」



よく見れば右の頬が赤くはれている・・・



そっと手を添えてみると・・・熱を持ち触られるだけで



痛いのか、顔がゆがむ


「これは・・・その、贈り物?」


「おくりもの?」


罰悪そうに頭を掻きながら・・・



事の次第を話しだす





俺は、自分のことばかりで、翔ちゃんの彼女の


気持ちなんか考えもしなかった


もし、この話が事実なら、ずっと翔ちゃんの心の中にいたのは


俺・・・・


この上なくうれしいはずなのに


彼女を思うと素直に喜べない自分がいた


だって、俺が彼女になっていたかもしれないから


二番目に・・・・


それでもいいと選んだこの同居が

もしかしたら、この結末をよんだのかもしれない


だとしたら、彼女からすれば俺は・・・・





望んでいないといえば嘘になる


一人占めしたい気持ちでいっぱいだったから



突然、翔ちゃんが切り出す



「ねぇ、智くん、返事してないよね?」


「返事?」


「俺、気持ち伝えたんだけど・・・その、そう言う意味で」



「あ、・・・うん。」



「おかしいだろ?男の智くんが、可愛いく見えるんだ。」




・・・・・それ言うなら翔ちゃんだって



溶けそうな目で俺を見る翔ちゃん・・・・


ドキドキが止まらない


「この同居がきっかけでも、本当はきっとずっと前から・・・」


そう言いかけて、遠くを見つめる



「・・・・ずっと前から、彼女に智くんへの想いを

重ねてきてしまったんだと思う。俺って、最低だよな・・・」



胸が熱い・・・なんだろうこれ?


俺・・・今どんな顔してるんだろう?


真剣なまなざしへと変わる翔ちゃんを前に


身動きができないでいた・・・・


俺の中の、欲張りな俺が翔ちゃんを欲しいという


流されそうになるのを彼女が、彼女の想いが


俺を止める・・・・



「俺は、彼女がいてもずっと近くにいたいって


そう、思っていた・・・邪魔さえしなければ叶うかなって。」



「智くん!それって、つまり?」



「・・・ずっと、思ってた。振り向いてほしいって」



抱き着こうとする翔くんをとめる


「智くん?」




・・・・そんなおねだり顔で見ないでくれ

俺だって抱き着きたいんだよ!



「俺、今すぐにでも翔ちゃんの全部が欲しいって思ってる」



「俺だって智くんが・・・」



「だけど、彼女とのことまだはっきりさせていないだろう?」



翔ちゃんの顔が一瞬曇る・・・



「俺は、焦らないよ。散々待ったから(笑)」



「智くん・・・・」



「それに、こうして一緒に住めるんだ、いつだって襲える(笑)」



「なっ!・・・襲う・・・って」



俺は、翔ちゃんの右側の頬にそっとkissをした



そこはまだ熱を持ち熱くほてっている


彼女の想いに敬愛と感謝の念を込めて


そして俺から翔ちゃんへの返事は・・・・




彼女に心で「ごめん」とつぶやき


柔らかで赤く熟れた艶やかな唇へ



チュッっとキスをした


「すきだよ・・・翔ちゃん。俺も翔ちゃんが好き!」




気が付けば、あたりは薄らと夜が明け始めていた



窓から見える季節外れの桜が朝焼けの空にゆれていた


まるで俺等のように・・・


季節外れの春がきた・・・俺と翔ちゃんのように





ここからまた始めよう


俺と翔ちゃんの奇妙な同居を(笑)



二人の初めてをいっぱい増やしていこう・・・











   ****ドンナフウニアイシアウノ****



これからゆっくり確かめよう・・・・(笑)