sho to satoshi vol.12



午前2時を過ぎればさすがに外は肌寒く


上着の襟を立てた。


ブルッと身震いするような気温


街路灯に映しだされる銀杏の葉っぱも


黄色く色づいてる






・・・秋深し・・・か?



繁華街からそれると


人通りもなくなり


とりあえず、歩き出してそれから考えることにした


上着のポケットの中で何度か着信があったが


出る気がしなかった


・・・あいつの音じゃなかったし


翔ちゃん・・・




あり得ない期待を胸に俺の取った行動は一つ。


帰ろう・・・・・














・・・・送信してしまった!




うわぁ~まずいか?


どうしよう、余計に帰って来なくなっちゃうかな?



でも・・・いいんだ。


本当に、会いたいんだから



それでだめなら・・・また明日から始めればいい




この頬の痛み無駄にしない!絶対に!




♪~♪~♪~





ん?メール・・・



えっ?あれ?俺じゃない



智くんの?・・・・携帯置いていったまま?もしかして?



急いで音のする方へ行く



下駄箱の上か?・・・・




リビングのドアを開けると・・・・・






あぁ・・・


まぼろし?


泣きそうな笑顔で立っている


待ち焦がれた人影・・・・・







「智・・・くん・・・」




「・・・・ただ・・・い・・ま。翔ちゃん・・・」




その声を聴いた瞬間・・・無意識に身体が反応し



思わず智くんを



抱きしめていた・・・・・