半日ぶりに戻ってきた翔くんの部屋・・・・

こんなに明るかったっけ?

何気なく過ごしてきた日常の風景が

やたら新鮮に感じられる・・・・・

ははっ、気持ちひとつで住む世界が全然違って見える

俺って、単純?




「何見てるの?」



「ん?いや、翔くんの部屋ってこんなに明るかったけ?ってさ。」




・・・・翔くんのか


「そう?普段と変わらないけどなぁ?」


・・・・智くんはもうこの景色の一部だから俺の中ではね。



「う~ん・・・でもやっぱ二人で見ると違って見えるよ」



そう言って恥ずかしそうに微笑む智くんから

なんだか目が離せなくて見入ってしまった

二人で見る風景か・・・(微笑)





日の光に透けて少し茶色がかった前髪と長い睫毛


黄金色の日差しに映しだされたやわらかい唇


そこから覗く白い歯

輪郭をキラキラさせる産毛・・・・・

綺麗だ・・・・




「何見てんだよ・・・・そんな顔されたら、こっちが恥ずかしいよ」



・・・・俺は、やはり顔で語ってしまうらしい

だが、今回はそれがありがたい

多くを語らなくとも気持ちが通じることへの喜び


「だって、智くん見てたら自然とこうなっちゃうの」



多分、誰がどこから見ても


今の俺の顔、緩みっぱなしのデレデレした


しょうもない顔なんだろう・・・(笑)







そんな俺をどんな思いで見てるのか知りたいと思った




が、言葉にする前に・・・・抱きしめられていた






「そのまま聞いて・・・俺ね、ずっとこうしたかったんだ


でも、嫌がられたらどうしようって思うと、できなかった


だから、翔くんからしてくれたらって・・・待ってたんだ


だけど、待つのやめた。抱きたいときに抱くことにしたから・・・いいよね?」



突然のことに、思考がうまく働かない・・・・・


でも、背中にまわされた腕の力が更に強くなる





俺の中の答えなんて聞かずともひとつ!



智くんをきつく抱きかえす・・・息ができないほどきつく


鼓動が伝わる・・・・



緊張してる?少し早いよ・・・・(笑)




「やっと、掴まえた・・・


お帰り、智くん・・・お帰り・・・・・」





「・・・・ん。ただいま、翔くん・・・・・


ただいま・・・・・やっと触れた・・・あったかいよ」




頬に感じる体温・・・・久しぶりだ


この髪の匂いも、腕の中の感触もそして・・・君の唇も


大好きだよ翔くん・・・・