「 世界一のテレビ塔出来るまでの内幕本 」
私がスカイツリ-にのめり込んだのはブログのトップページにもある通り10年前の
2006年(平成18年)3月31日の新タワー設置の最終候補地決定の新聞記事からでした。
でもこの本を読んでみたらスカイツリーの形どころか名前すらないその時点ではもう
終盤の段階だったのですね。
日本テレビ所属で立ち上げからこのプロジェクトに携わっていた根岸豊明さんの本を
読んでみました。
① 選定・交渉・開業・放送開始・・・

何故墨田区押上に出来たのか。
数ある候補地からどのような選考を経たのか。
何故テレビ界は巨大鉄塔を必要としたのか。
日本有数の鉄道会社東武鉄道も何故手を挙げたのか。
テレビ局と鉄道会社という関わり合いの薄い両者が何故折り合えたのか。
本当に私ら「誰も知らない」エピソードを次から次へと報道マン独特のまとまった
筆さばきで描いてくれ私の「何故?」、「どうして?」の疑問を晴らしてくれた名著でした。
② 当時の新聞報道、小さい記事でしたね。(私のスクラップブックより。)

③ 区報すみだの特別号。(私のスクラップブックより。)

仕事を持っていかれてしまう東京タワーも707mの企画を必死に提案していたとか
ほりえモンのライブドア騒動もかかわっていたり
後発放送局の日本教育テレビ(現テレビ朝日)がデジタル移行で10チャンネルから
5チャンネルという真ん中の良い番号とれた話題などもさりげなくはさんであります。
正式協定前の在京テレビ連合と東武鉄道との決裂寸前の交渉の有様など読みごたえ
有りです。
工事自体も世界一の建設物ですから凄いので建設中などの写真集は数ありますが
このような中からの建設秘話的本はありませんでした。
あっという間に読んでしまいました。
読後、凄いプロジェクトだったのだなぁと改めてスカイツリーの凄さを認識しました。
「誰も知らない東京スカイツリー」
根岸豊明(新タワー推進プロジェクトメンバー、現日本テレビ取締役)著
ポプラ社刊 税別1400円。