悪夢の高校時代を卒業して私は、友達もいない専門学校へ入学した。


好きなことをただ毎日学んで、新しい友達もできて、やっと自由になれた気がした。


そこで一人の男の人に出会った。
元カレのA。
4歳上で背が高くて優しそうな人。


入学してすぐ話が合って一緒にいる時間が増えて、そのうち付き合うことになった。


周りにもお似合いと言われて、とても楽しい学校生活だった。


でも彼の卒業と同時に遠距離恋愛になった。


当時まだ19歳だった私に彼は


「お金を貯めて、成人したら結婚しよう。そっちへ引っ越すからそれまで待っててほしい。」


と言った。



遠距離恋愛になってからは2,3ヶ月に1回5時間かけて会いに来てくれた。
メールも毎日100通して、電話も何時間もしてた。


遠距離恋愛が4年目頃になっても一向に変わらない生活。私はもう24歳。


聞いてみたら「ハローワークに行ってそっちの求人をみてる!応募もしてるけど遠距離だから落とされ続けてる。」って言ってた。


そうなんだ。って思って応援してた。


その頃にはメールも毎日5通くらいになって、仕事が忙しいと言って会いに来るのは年に1回になってた。


その時に気がつけばよかったんだよね。


結局それから更に2年が過ぎ、私は26歳。


父のコネで大きな企業に就職できるチャンスが舞い込んだ。なのに彼はそれをすごく嫌がった。私にはその理由がわからなかった。それどころか「俺のプライドはどうなる」って怒られた。


彼との間に少しギクシャクした空気が漂って、彼へのちょっとした反抗心から何かいつもと違うことをしたい気分になった。


フェイスブック



私は26歳になってたけど、LINEやSNSが主流の世の中なのにそれを使うのを禁止されて、フェイスブックも危険だからと閲覧も許されてなかった。


そんなの気にしなければいいのに、私はバカみたいにその言いつけを守ってた。


でもギクシャクした日々の中、


「フェイスブックって…何が見れるんだろう?」


って思って検索してみた。


小学校時代の友達から専門学校の先生までたくさんの人の現状が見れて、とても楽しくて夜中中いろんな人のページを見てた。


いろんな人の名前を検索するなかで、なんとなく彼の名前を検索してみた。


同姓同名の人がずらーっと出てきた。


その中で見つけた。見覚えのある景色をバックに見覚えのある車の写真。


名前、出身地、血液型、車の車種、背景の家……すべてが彼だった。


投稿の中に「詳しくはブログで」と書いてあった。


ブログってなに?


そんなのしてるの?


そういえばいつも「こんな場所があるんだって」とか言いながら見せてくれてたブログのサイト……


ニックネームで検索……遠距離とはいえ8年付き合ってきたんだからだいたい検討はついた…


ブログをニックネームで検索してみた………








でた





彼だ





あの自宅を背景に撮った車の写真。


そのブログは彼のものだった。


次へ続きます。