糖尿病に伴う便秘
糖尿病性神経障害には、便秘が多くみられます。糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症にも便秘は多くみられますが、糖尿病性神経障害の便秘は、糖尿病合併症の中でも最も高頻度に現れる症状です。糖尿病を原疾患として自律神経障害が発症しますと、消化管の運動障害が生じ、それによって、便秘等の便通異常が現れます。糖尿病性神経障害による便秘は、糖尿病神経障害の主要な合併症であるといえます。糖尿病性神経障害に伴う便秘の解消には、水溶性食物繊維であるイヌリン食物繊維が最適です。イヌリン食物繊維は、消化管からの糖の吸収を緩やかにし、急激な血糖値の上昇を抑制します。また、大腸に生息するビフィズス菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を整えることで便秘を予防し、また便秘を解消させます。イヌリン食物繊維という1つの食品成分で、原疾患である糖尿病に対しても、また糖尿病性神経障害に伴う便秘に対しても有効です。ここでは、糖尿病、とりわけ糖尿病性神経障害に伴う便秘についてお話します。
糖尿病合併症と糖尿病性神経障害
糖尿病は、血糖値が高くなる病気です。血糖値が高い状態が続きますと、さまざまな合併症が起こります。高血糖によって、自律神経や末梢神経などの全身の神経が障害される場合、これを糖尿病性神経障害といいます。また、糖尿病によって眼底出血を起こす場合を糖尿病性網膜症といい、尿にタンパクが現れる場合を糖尿病性腎症といいます。糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症および糖尿病性腎症を、糖尿病の3大合併症といいます。糖尿病の3人に1人は、糖尿病性神経障害を合併しているといわれています。
この3大合併症は、糖尿病を発症してから同じ時期に同時には現れません。一般に、糖尿病性神経障害が最も早く現れる合併症です。糖尿病の治療開始後5年あるいは高血糖が5年以上持続していると糖尿病性神経障害の発症リスクが高まります。次に現れる合併症は糖尿病性網膜症です。糖尿病の治療開始後6~8年経過しますと糖尿病性網膜症の発症リスクが高まります。最後に、糖尿病性腎症が現れます。糖尿病性腎症は、糖尿病の発症後10年以上経過してから現れるといわれています。糖尿病合併症は、「生活の質(Quality of Life, QOL)」を著しく低下させます。糖尿病で怖いのは、糖尿病それ自体よりも、むしろ糖尿病合併症にあるといえるでしょう。
糖尿病性神経障害の発症と進展に関与する最も重要なリスク因子は、「血糖コントロールの不良」です。高血糖の状態を改善できないこと、また正常域での安定した血糖状態を維持することができないことを血糖コントロールの不良といいます。血糖コントロールが不良な場合、高頻度に糖尿病性神経障害が現れます。ですので、糖尿病性神経障害の基本的治療は、血糖コントロールを厳格に行うとともに、禁酒、禁煙などの生活習慣の改善指導となります。痛みを伴う軽症の糖尿病性神経障害の場合、血糖コントロールと生活習慣の改善で軽快します。このように、糖尿病性神経障害に対する治療は、糖尿病それ自体に対する治療法と同じとなります。
糖尿病性神経障害の分類と便秘
糖尿病性神経障害は、多発性神経障害と単神経障害の2つに分類されますが、そのほとんどが多発性神経障害です。多発性神経障害は、さらに、自律神経障害と感覚運動神経障害の2つに分けられます。自律神経障害では、便秘の原因となる消化管の運動障害、瞳孔機能異常、起立性低血圧、突然死や無痛性心筋梗塞などの心臓神経の障害、発汗異常、膀胱の機能障害、勃起障害など、さまざまな障害がみられます。感覚運動神経障害では、糖尿病性神経障害の発症の初期において下肢末端(足の指)に、痛み、しびれ感、錯感覚、感覚鈍麻などの感覚異常が現れ、糖尿病性神経障害の進展とともに、上肢末端(手の指)にも同様の症状が現れます。このように、糖尿病性神経障害に伴う便秘は、多発性神経障害に含まれる自律神経障害によって生じることになります。自律神経には、腸管運動を制御することによって、排便機能を正常に保つ役割があります。この自律神経が高血糖によって障害を受けますと、腸管運動が抑制された場合は便秘となり、また腸管運動が亢進された場合には下痢となります。糖尿病性神経障害では、便秘が高頻度に発生しますが、下痢もまた生じたり、あるいは便秘と下痢が繰り返すことがあります。
糖尿病の血糖値コントロール
糖尿病性神経障害および原疾患である糖尿病ともに、血糖コントロールと生活習慣の改善が本疾患の改善に重要なポイントとなります。当然のことながら、糖尿病およびその合併症を改善する基本は、日常の食事あるいは食習慣にあります。生活習慣として、禁煙、禁酒、規則正しい睡眠の周期は当然ですが、それよりも増して、糖尿病の治療で大切なことは、日常的な食生活、食習慣となります。
そこで、糖尿病と食事との関係についてみていきましょう。糖尿病とは、血液中の糖、すなわちブドウ糖濃度が高い状態が続く病気です。ご飯などの食事を摂りますと、糖質が分解されてブドウ糖となり、血糖値が上がります。健康な人は2~3時間で、血糖値は正常値まで低下しますが、糖尿病の方は、高血糖のまま血糖値は低下しません。これを、食後高血糖あるいは食後過血糖といいます。このように、糖尿病の対策には、血糖コントロールが重要となるのです。
糖尿病の食事管理
では、糖尿病に対する食事は、どのようなことに心掛けたらよいのでしょうか。糖尿病の食事療法の基本は、正しい食習慣とともに、過食を避け、また偏食のない規則正しい食事を摂ることです。糖尿病に対する特別な食事ではなく、栄養バランスのよい健康食を摂ることとなります。どの食べ物がよくて、あるいは悪いのかということよりも、1日3食規則正しい栄養バランスのよい食事を摂り、それを長く続けることが大切となります。糖尿病の食事のポイントは、以下の3点です。第一に、「適正なエネルギー量の食事」を摂ることです。適正な体重を保ちながら、日常の生活に必要なエネルギー量の食事をします。そのためには、各個人毎の適正エネルギー摂取量を計算することになります。第二に、「1日3回規則正しい食事」を摂ることです。血糖値は、食事の度に上昇します。食事の時間と量を毎日一定にすることによって、血糖値の急激な変動を抑制することができます。1日2食にしますと、1回あたりの食事の量が増え、食後の血糖値が急激に上昇してしまいます。朝食は抜いて、昼はうどんやそばだけで済ませ、夕食は大量に食べるという食生活は、悪い例となります。第三に、「栄養バランスのよい食事」を摂ることです。各個人に合った適正なエネルギー量の範囲で、いろいろな栄養素を満たす食事が大切となります。栄養素には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがあり、それらの栄養素に過不足がないバランスのとれた食事を摂ることが必要となります。炭水化物を多く含む主食(穀物類、芋、かぼちゃ、れんこん等)、タンパク質を多く含む主菜・おかず(魚介類、肉、卵、チーズ、大豆等)、副菜・野菜料理(炭水化物を多く含まない野菜、海藻、きのこ類等)が、食卓に並ぶような食事となります。アルコール類は原則禁止です。また、塩分、脂肪分、菓子類、嗜好飲料の摂り過ぎには注意が必要です。
糖尿病の食事管理と水溶性食物繊維
栄養素のうち、食物繊維は積極的に摂るようにしましょう。食物繊維は、消化管の中で消化および吸収されることがないので、食物繊維のカロリーはゼロとなります。ですので、適正エネルギー摂取量の計算において、食物繊維の摂取量はその計算に考慮する必要がございません。食物繊維は、満腹感にも影響を与えますので、過食の防止にもなり、高血糖を予防することになります。また、食物繊維は、糖の消化管からの吸収を緩やかにしますので、急激な血糖値の上昇を抑制します。
最近、水溶性食物繊維であるイヌリン食物繊維が、糖尿病の食事療法に注目されています。イヌリン食物繊維は、上述の一般的な食物繊維の機能に加え、プレバイオティク効果も併せ持っています。プレバイオティク効果とは、大腸に生息する善玉菌であるビフィズス菌を増やす効果のことをいいます。大腸内のビフィズス菌が増えますと、硬くなった便が柔らかくなり、便秘や宿便時の便通を改善します。また、腸内の善玉菌が増えることによって、腸内環境が整い、下痢の対策にもなります。イヌリン食物繊維は、消化管運動障害を伴う糖尿病性神経障害には最適な栄養素であるといえるでしょう。糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症にも、食事療法の観点から、イヌリン食物繊維は有用となります。今では、スティムフローラのように、不純物を全く含まない粒タイプのイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症など、糖尿病に伴う便秘の予防と改善に、このような健康補助食品を活用することも有用です。また、食物繊維は、糖の吸収を抑制しますので、原疾患である糖尿病の食事管理として活用することもできます。
糖尿病および糖尿病合併症における食事療法は、治療の特効薬といえるでしょう。糖尿病の治療は、長期にわたります。お薬だけに頼るのではなく、毎日の食事や運動にも心掛けることがとても大切となります。
根菜類に含まれる貴重な天然成分であるイヌリン水溶性食物繊維は、腸内環境を改善し、自然な排便を促します。排便で苦痛を伴う方、お通じが毎日ない方、宿便気味の方、便が硬く排便が困難な方など、便の排泄にトラブルを抱えている方に、とても有用な天然成分です。スティムフローラは、この機能性の高い水溶性食物繊維を高純度(99%以上)に精製し、飲みやすいよう粒にした健康補助食品です。不純物を全く含まないので、病気で食事制限をしている方にも最適です。市販の食物繊維とは異なり、水に溶かさず、そのままお召し上がりいただけます。快適な、毎日のお通じのために!
