今回は、映画ではなく小説について、
この小説はかれこれ10年前に刊行され、映画化もされた作品。
聞き覚えがあるはず、このキャッチーなフレーズを、
『愛美は死にました。しかし事故ではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです』
【告白】
湊かなえ著 株式会社双葉社
2008年8月5日 単行本刊行
2010年 4月11日 第1刷発行
2017年 4月14日 第80刷発行
ちなみに僕は、まだこの映画を鑑賞していない。
正直、当時も今も触手が伸びなかった、小説のラストを読むまでは。
小説自体は、淡々と進む湊かなえらしい小説だ。
キャッチーなフレーズにも関わらず、さほど急展開に展開が進むわけではない。
それでも展開が遅いわけでもない。淡々と進むのだ。
小説を読む間、この小説を映画化したところで、
そんなに面白みはないのではないか?と感じていた。
映像向きの小説ではない。劇的な展開があるわけではないが、
文字から読みとり楽しむ構成がなされている。
また展開が早く、次はどうなるの!?といったハラハラドキドキ
はさせないが、淡々と進む独特の展開の間に気がつけば、
次のページをめくっている。
『愛美は死にました。しかし事故ではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです』
この言葉からすべてが始まる。娘を殺されたにしては、
落ち着きすぎているほど、動揺のないトーン。
主人公は3人、被害者である主人公と犯人2人(生徒たち)。
落ち着いている被害者の主人、狂っている生徒(犯人)、
そして狂気に満ちたそのクラスメイト(生徒たち)
人の罪の意識など、所詮結局は社会に植え付けられた道徳観でしかない。
もはや洗脳となんらかわりはないのではないか?
直接的な人との関わりが、薄れつつある現代と
もともとあった人の暴力性・狂気、そういったものが
淡々としかし確実に、自分の底に沈殿していく。
そういった内容にも関わらず、この映画のトレイラーはなに?
狂気をコミカルに描きすぎって逆に陳腐に感じる。
そういえば、これが上映されているときもそう感じたことを
思い出した。
ちなみに筆者は、岡田将生が好きではありません。
嫌いな人にとても雰囲気が似ているから、好きになれない。
それでも小説のラストが僕に映画を観ろと囁いていたような
気がするので、後日鑑賞するはず。
今週末にでもTSUTAYAに借りに行こう。
それではアデュー。
