誰にでもできるAI、そうでないAI
最近、どんなことにもAIという話を絡めたがる人が多い。「AIをやっている」と言われるだけですごいと思っている人もいる。なぜなら、AIは確かに、ブームだし、お金を出す人も多い。さらには少しだけ勉強し誰にでも簡単にできるようになったからだ!エンジニア界隈で有名な理解度推移曲線を見てみる。出典:https://www.slideshare.net/HaradaKei/analyst-meetup-0410harada初めは全然理解してないのに、簡単にできるAIを触ってみただけで、完全に理解したと思い込んでしまう人が多すぎる。そして、その勢いでベンチャーを作ってしまう悲惨な人も増えてきているのが、現在の世の中のAIベンチャーの有象無象を作り出してしまった。しかし、この段階では、世の中の問題を解決できるほどのAIを作れていないことに気づいていない。実際にはあらゆる問題が待ち構えている。データが入手可能なのか?商業利用可能なのか?教師データがつけられているのか?データの量と質、バリエーションは?教師データにはないようなリアルワールドのデータでも目標精度が達成できるの?そもそも目標精度とは?100%の精度がでないシステムでも、そのサービスは成り立つの?単純なAIのタスクだけで済むの?前処理は?後処理は?リアルタイム性は必要?アップデートされていく?個人情報の管理は?....など、最初は完璧に理解していたつもりが、実は全然分かっていなかったことに気づく。そして、「POC疲れ」というワードが流行っているように、プロトタイプまで作って製品化できないAIプロジェクトが世の中に溢れかえっている。そんなAI戦国時代に丸腰で戦いにいくのではなく、知識と経験の武器を持った人にならなければ、誰にでもできるAIを作っても、今誰にもできない問題をAIで簡単に解決することなんかできないのだ。