こんにちは。音楽を活用して
幸せな園づくりをサポートするStepの山本です。
以前、ブログでは美容師を辞めた
20代の女の子の話をしました。
マスコミでも取り上げられていますが、
本日は保育者(保育士・幼稚園教諭合わせての総称)
の退職についてマスコミでは取り上げられない事を
私なりにお話ししたいと思います。
保護者の立場だと
朝の登園と降園時だけ先生を見る事が主だと思います。
参観の時は、たくさんの保護者が教室にいて
何かあってもその園児の保護者に
お手伝いしていただけるので
普段の保育時間は想像の域・・・。
お迎えの時の先生の話も
保護者へは園児の一日の様子の
伝達のみですよね。
保育園の場合、担任の配置人数は
0歳→3人につき1人
1・2歳→6につき1人
3歳→20人につき1人
4・5歳→30人につき1人
が配置基準となっています。
幼稚園の場合は
一学級の幼児数は、35人以下を原則とし
基本年少(3~4歳児)からになる為、
年齢別での規定はありません。
皆さんはこの担任が
保育園で3歳児 20人に1人
幼稚園の年少さん35人に1人
をどう思いますか・・・?
保育者ではなくお子さんがいる方でしたら
信じられない割合
ではないでしょうか・・・?
保育園は0歳児から入園している子は
園生活もベテランなので
1年目の先生よりも
園の事を知っている場合もあります(笑)
幼稚園でプレクラス(年少前のクラス)に
来たことも無く
初めて親を離れて社会に出た3歳児35人を
1人で担当して良いという規定なのです。
園によっては
入園から暫くは主任の先生などが
サポートに入る場合も有りますが、
幼稚園の年少クラスの入園式から暫くは
「ママ~、ママ~」
「お家に帰る~、帰りたい~」
と1日中泣き叫ぶ子や
トイレに行きたいと言えず
教室の中でおもらしをする子や
部屋を脱走しようとする子が多発したりと
子どもの成長を理解しているベテランの先生でも
精神的に振り切ってしまう様な大変な状態になり
実は先生もストレスで体調を崩しながら
毎日、自分自身と戦っているような状況が
続いている事もあります。
当然、これは1年中続く訳ではなく
時間薬と先生方の尽力と創意工夫で
クラスとしてまとまっていくのですが、
側で見ていて
先生も園児もみんなが幸せではない状況が
数週間以上続いていくのです。
ビジネス的に考えると
園は園児数=収益なので
それは園児がたくさん居て
経費負担が一番大きい人件費が少ない方が
営業利益も大きくなりますよね。
保育者の先生方は
厳しい状況でも子ども達の為に
身をすり減らしながら頑張る先生ばかりです。
特に真面目な先生は
必要以上に自分を追い込んだり
上手くいかないと自分を責める傾向が
強く見られます。
1年目の先生も出来なくても当たり前なのに
精神的に参ってしまう先生もたくさんいます。
先生方のピアノの指導は個人レッスンなので
先生の心の内を話すだけでも
気持ちが楽になるのではと思い
話を聞こうとすると
話ながら泣いてしまう先生もたくさんいます。
目に見えるモノ・コトとして
保育士の離職率を下げる為に
国も給与を上げる政策を発表しましたが、
給与が上がっても業務は全く変わりません。
業務が変わらないという事は
先生方が身をすり減らし
自分と戦いながら仕事を続ける状況は
変わりません。
ある記事に
「人はいくら給与が良くても
自分が壊れる仕事と
その給与より安いけれども
自分が幸せを感じる仕事の
どちらかを選べと言われたら
殆どの人が自分が幸せを感じる仕事を選ぶ」
といった内容が書いてありました。
その通りだと思います。
無理して給与が高い仕事をして
心身を崩し、転職した・・・という話は
よく聞きますよね・・・。
保育者も保育者である前に
労働者です。
小規模の園には無い
歴史ある大規模な園の在り方が
問われてるのが現状だと思います。
保育者はほぼ女性ばかりで
労働組合的な機関もありません。
「労働条件に文句を言うと立場が悪くなる」
「働き辛くなる」
と我慢するか辞めるかの
二択の状態の人がたくさんいます。
これでは未来ある子ども達を
先生自身が元気に心身健やかに教育する事は
厳しい状況です。
経営者によっては職員を大切にし
余裕を持って人員配置されている園もありますが、
離職率が高い園は
その理由が改善されない限り
入職希望者も少ない為
余裕を持って雇用する事も出来ません。
海外の人から見て
日本の幼稚園や保育園の
一クラスの人数の多さに
「クレイジーだ」
という意見もあるそうです。
内部の声が上手く届かず現状が改善されないのは
園から国に提出される
書類上で目に見えるモノ・コトに対して
対応しているからではないでしょうか・・・?
私は国が子ども達の教育の場として
「理想の現場」と考えるところから逆算した政策
は思えないのです。
問題と対策が
マッチしていないのではないか・・・?
というのが私の正直な気持ちです。
私は国が本気で保育の現場を改善しようと思うなら
園を通さず
無記名・勤務先無記入で
保育者からアンケート等でヒアリングすれば
改善すべき事は
その答えの中に全てあると思います。
こういった改善の手法は
民間企業のマーケティング手法などの活用であり
外部の人が提案した方が
案外、特効薬が生まれるのかもしれません。
国として巨額の税金を投入し
アクティブラーニング
英語
プログラミング
と新しい取り組みの導入も素晴らしい事ですが、
それ以前の人格形成の大切な時期である
乳幼児の教育環境の方が
国の将来にとってとても重要な事を
伝える事も忘れてはいけないと思っています。
言葉にすれば単純になってしまいますが、
みんなが幸せになるように
何とか改善していきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日もきっといい日になりますように
お問い合わせ先
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