音楽を活用して幸せな園づくりを
サポートするStepの山本です。
本日は2月3日 節分の日ですね。
たくさんの園で豆まきが行われた事でしょう。
子ども達が自分の中のダメな部分、
苦手な部分を考え出して
「泣き虫鬼出て行け~」
「ぐずぐず鬼出て行け~」
と言いながら
先生が扮した鬼に向かって豆まきをする園が
多いのではないでしょうか...?
この時、多くの子ども達が鬼が怖くて大泣きします。
先生達はその子ども達を見て笑ったりする場面もあります。
今日はこの豆まきを
心理学的な側面から考えてみたいと思います。
秋田のなまはげもそうですが、
日本の行事で乳幼児が泣いてしまう行事があります。
ここで豆まきについて調べてみました。
そもそも「節分」とは、
「季節」を「分ける」日で
季節の変わり目には邪気(鬼)が来ると考えられ
それを追い払うための悪霊ばらい行事が
執り行われていたそうです
節分は宇多天皇の時代に、鞍馬山の鬼が
出て来て都を荒らすのを
祈祷をし鬼の穴を封じて炒り豆(大豆)で
鬼の目を打ちつぶし
災厄を逃れたという故事伝説が始まりと
言われているそうです。
豆は語呂合わせで「魔目(豆・まめ)」を
鬼の目に投げつけて鬼を滅する「魔滅」に
通じ鬼に豆をぶつけることにより、
邪気を追い払い、一年の無病息災を願う・・・
という意味があるそうです。
あれれ・・・?
日本の保育園・幼稚園では
みんなの前で自分のダメな所や
克服したい事を発表したり紙に書き出し
大泣きしながら怖い鬼に向かって
豆をまく事が慣習となってますよね・・・?
「みんなが新しい一年を元気に安全に過ごせますように」
と未来に向かって願いながら
豆まきをしている園は
少ないのではないでしょうか・・・?
ある園長先生から聞いたお話しなのですが、
園長先生が鬼の役になって
園児と豆まきをした時の事。
この園も自分の中のダメな所に対して
鬼に向かって「出ていけ〜!」と言いながら
豆まきをしたそうです。
豆まきが終わった後、
その園長先生は熱が出て一時体調が悪くなったとの事。
これはそれ位、子ども達も真剣に
思いを込めて豆まきをしたという事ですよね・・・。
また、なまはげについて調べてみました。
なまはげは伝統的民俗行事で
東北地方においては幼児に対する教育の手段。
親は幼児に対し予めなまはげによる強い恐怖体験を記憶させて、
後に幼児が望ましくない行為を行った場合、
その恐怖体験が再現される可能性を言語的手段で注意する。
刃物を持った大男が自分の家に乱入して来る恐怖を利用し
幼児の特定の望ましくない行為への欲求を自制させる・・・
以上です。
このブログを読まれている方で
東北地方の方もいらっしゃると思いますが、
こうして文章で読んでみると
どんな気持ちになったでしょうか・・
豆まきもなまはげも子どもの気持ちを考えると
大人はその時の子ども達の様子をしっかり観察する
必要がありますね。
心理学的にも
信頼している親や先生が
怖くて怖くてたまらず
大泣きして助けを求めているのに
泣いている自分を大笑いして遠くで見ている・・・。
「怖い」
に理由は無く
心が「怖い!」と感じているのに
「怖くない 怖くない」
と笑ながら気持ちを否定される・・・。
こういった経験は
今は症状としては現れませんが
その時の感情が潜在意識に刻まれ
何年も経って成長した時、
「心的外傷後ストレス障害」
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)
となって症状が現れるのだそうです。
ある幼稚園の先生で
事務所にクラスから優しそうな性格の
男の子を連れて来て空いている椅子に座らせ先生の用事を済ませ
その子を置き去りにしてはさっと事務室を出て
置き去りにされ泣いている男の子を
事務室のガラスのドアの向こうから
笑いながら見ている先生がいました。
それが一度だけではないのです。
憤りを感じながらも機会を逸し
私もその先生に注意出来なかった事を
心から悔やんでいますが
その先生はその子の後に起きる事は
想像もしなかった事でしょう・・・。
日本の文化や伝統は
世界に誇れる素晴らしいものがたくさんあります。
決して否定はしません。
ですが、ただ慣習として行事をこなすのではなく
今を生きる感受性豊かな子ども達一人一人に
十分配慮する事も必要ですね。
もし、あなたが号泣しながら周りに助けを求めているのに
周りはそんなあなたを笑って
「怖くないでしょ?」
とあなたの感情を否定しながら
誰も共感してくれない状況を想像してみて下さい。
たまらないですよね・・・。
忘れようとしてもトラウマになり
ずっとその思いは引きずってしまいますよね・・・。
本日は重い内容になりましたが、
先生に限らず
子どもに関わる大人全てが理解した上で
心の状態を汲み取り
子ども達に最善の環境を作っていきたいですね。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
明日もきっといい日になりますように
【補足】
ハロウィンについて疑問を持たれた方へ
アメリカの行事であるハロウィンは
夏の終わりに有害な精霊や魔女が家に来ると言われており
その魔女やお化けに仮装した子供たちが
近くの家を1軒ずつ訪ね
「トリック・オア・トリート(Trick or treat.)
「お菓子をくれないと悪戯するよ」」と唱え
お菓子がもらえなかった場合は報復の
悪戯をしてもよい・・・
という行事です。参考まで。
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