こんにちは。Stepの山本です。
前回のブログで
幼稚園や保育園の先生方が何かの課題を指導する時の
指導力について書きましたが、
私が園での指導に関わらさせていただくようになり
先生方の指導についてある気付きがありました。
クラス全体をタイムスケジュールに合わせて活動させたり
約束事やルールなど社会性を身に付けたり
目標に向かって頑張る事が出来るように
背中を押してあげたりする
運動や音楽などの何か課題があり、
異なるのだと感じるようになりました。
幼稚園や保育園の先生のベースとして
年齢別の心身の成長段階の知識や
乳幼児の行動や言動に対して
どのように声を掛け、接する事が一番良いか....?は
学生時代の授業や、先生になってからの経験や先輩の先生からのアドバイスで
経験を追う毎にスキルアップしていきます。
しかし、運動会やお遊戯会など
運動や音楽など何か課題があり
その課題が出来るように園児を指導していくためには
やはりそのための
指導力
が必要です。
指導力がある先生の指導を受けていると
園児も楽しみながら頑張る事が出来るますし、
先生自身も更に指導する喜びや先生としての醍醐味を味わい
「先生として、もっと成長したい」
と仕事に対して更に意欲的にもなります。
ある園のお遊戯会で曲に合わせて
年少さんがタンブリンを叩く事になりました。
本番に向けて毎日少しずつ練習するのですが、
タンブリンは音を鳴らすだけなら叩く事は簡単です。
ただ、せっかく舞台でお客様の前で演奏するのですから
可能であれば持ち方も揃っていた方が
見ている方も気持ちが良いですよね。
ここで演奏以前に、一つの課題が出来ました。
「タンブリンを利き手の反対の手に持つ」
という課題です。
年少さんだと、まだ右手と左手の認識が出来ていない子も多く
「こっちじゃなくてこっち???」
と質問する子もいます。
先生も本番が近くなると
なかなか全体と合わせる事が出来ない子に対し
一番言ってはいけない言葉
(先生としてカッコ悪い言葉・・・ですね)
「言ったでしょう?」
「何回言ったら分かるの?」
という言葉が出て来るようになります。
先生方が
「タンブリンは左手で、お胸の前に構えて、右手は用意で開いて待ちなさい」
「そして先生が1234と数えたら叩き始めるのよ」
と指導されているのですが、
この中には年少さんからすると
いくつの課題が含まれているでしょうか・・・?
確認してみましょう。
①タンブリンは利き手(主に左手)で持つ
②左手は胸の前に構える
③右手も直ぐに叩ける様に開いて構える
④先生が「1 2 3 4」と数えるのを聞く
⑤先生が数え終わったらタンブリンを叩く
以上です。
大人からすれば4つ数えたらタンブリンを叩くだけの事ですが、
段階を追って考えると
年少さんに5つの課題を要求していたのです。
ここではまず
①タンブリンは利き手(主に左手)で持つ
を覚えないと、先の練習をしても改善する事は出来ませんし
一番良くないのは理解していないまま進めると
子どもはいつも「何か違う」という思いを抱えたままで
心から楽しむ事は出来ません。
合わせて
「自分は先生に叱られてばかりいるダメな子」
「出来ない子なんだ」
と思い込みが生まれます。
またいつも「手が違う」と注意されると
やる気も自己肯定感も下がり、
タンブリンを叩く事=音楽が嫌になってしまいます。
この場合、利き手のみを覚えれば良いのですから
お遊戯会の練習時間以外でも
旗揚げゲーム的に
「右手はどっちかな? ハイ!」
「右手上げないで ハイ!」
「右手をお口に ハイ!」
「右手をお耳に ハイ!」
「右足どっちかな? ハイ!」
と遊ばせながら覚えさせる事が出来ます。
この「ハイ」!でテンポ良く進める事も大切です。
この状態になると、子ども達の脳も活性化され
ドーパミンも分泌され、覚えも早く、
きっと子ども達から
「もう一回やろうよ」
と声が出て意欲的になります。
ほんの2~3分遊びながら
こういった基礎力をつけるゲームを継続していると
先生方も指導する時の労力も減り
先生自身もきっと笑いながら
子ども達と楽しく遊ぶ事でしょう。
今回は
「左右の判別が出来ない年少さんがタンブリンを持つ」
という課題を例に上げましたが
園で行う全ての課題は
こういう先生方の指導や言葉掛けの工夫で劇的に変化していきます。
とてもシンプルな事なのですが、
一度にたくさんの事を要求せず
常に課題を切り分けて
どれだけ子ども達を楽しませるか?
どれだけ子ども達にウケるか?
( ↑ これ大事!)
子ども達が意欲的になれるか?
などを考えながら、創意工夫出来るといいですね。
そうすると先生も
たくさんの達成感を感じて
益々、この先生の仕事が楽しくなります。
そして、その気持ちは必ず子ども達に伝わり
クラス全体も素敵なクラスに成長する事でしょう。
クラス全体のモチベーションが上がると
何もするにも先生も子ども達もキラキラと輝きます。
これからも指導のヒントをお伝えしていきますので
参考にしてみて下さいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日もきっといい日になりますように
お問い合わせ先
幼稚園・保育園指導サポートシステムStep
↓