steps to home ー あの日から2026年秋に歩いて帰るまで

steps to home ー あの日から2026年秋に歩いて帰るまで

心肺停止20分。
あの日から、家に帰るまでの一歩一歩。
夫の回復と、家族の記録。

 

心肺停止20分。

あの日から今日まで、その時その時でどうにか前を向いてきました。

その中で感じたことや、私なりの心の持ちようが、どこかで誰かの支えや参考になったら嬉しいです。

私はしつこい。

 

目が開くことが回復。

うなずくことが回復。

 

そう思っていた。

 

だから、目を閉じたまま反応がない時は、

『なかじー!来たよ!』

と、何回も何回も声を掛けていた。

 

なんとかして、私の思う『回復』を引き出したかった。

 

 

脳の回復には波があるらしい。

そして、私が思っている以上に、ほんの少しの刺激でも疲れてしまうとのことだった。

 

だから、昨日は反応が良かったのに、今日はずっと寝ているという日があってもそれも俯瞰してみれば回復の最中と考える。

 

そう、高くジャンプする前に、ぐっとしゃがみ込むみたいに。

 

『1日1歩、3日で3歩、3歩進んで2歩下がる。』

そんな感じ。上昇気流であることには間違いない。

 

脳の回復は、ある日突然完成、ではなく小さい変化が積み重なって、後から振り返ったときに、

『あれ?そういえば回復してる!』

って気付く気がする。

 

ちょっとずつ、ちょっとずつ。

 

そう思えるようになってからは、反応を引き出そうと焦るのではなく、

寝ていても回復に備えて休息中。

なんなら目をつぶって省エネモードなだけで意識はこちらを向いている。

そんな心持ちで、私は私の気が済むまで話しかけ続けていた。