アメリカ
Laughing on the bus
Playing games with the faces
She said the man in the gabardine suit was a spy
I said “Be careful his bowtie is really a camera”
ときどき市バスを利用する。
同じ市職員なのに、運転手も人それぞれ。
一言も発しない強面もいれば、やたらとしゃべる人間車内放送魔、
車やバイクと対抗する荒くれ者や、頑なにスピードや信号を遵守するルールマン・・・
今日は、人間社内放送魔だった。
走行中の注意から降車時のルール、
各種回数券、チケットの案内、乗り継ぎ券を利用する際の心得などなど、
よどみなく、噛むことなく、運転しながら延々と自らアナウンスし続ける。
まるで録音されたようなアナウンス口調で。
でもその間に二度、僕は聞き逃さなかったね。
一度目はある停留所の直前。
バスが停車のため左寄せを始めたタイミングで、
向かいから右側走行で、おばちゃんの乗った自転車がやってきたとき。
二度目はまた別の停留所間近。
信号待ちからスタートしたバスの前を、一台の原付がロースピードで
邪魔するように(いや本人にまったくそのつもりはない様子)走っていたとき。
その二度、例の流ちょうな丁寧なよどみない自己陶酔的アナウンスの合間に
ちっ!
という舌打ちが混じったことを。