Galaxy Trio in Leo

 

やっと春になりました。

北陸では冬の間はずっと雪か雨、なので星を見ることが全くできていませんでした。

4月に入って比較的天気も良くなってきたのですが、今の時期は春霞で澱んだ空が広がっています。

夜になって空の状態をチェックしに外に出るのですが、指標にしているのが

 

「北極星が肉眼で確認できるかどうか」

 

です。このところずっと晴れてはいるのですが、ガスっぽくって北極星が確認できない日が続いていました。

4月2日になってようやく北極星が確認できたので撮影準備をしていると、曇り始めるありさま。

この日はあえなく断念しました。

そして、4月8日に撮影の再挑戦。

幸いにして雲一つなく快晴でした。

それで撮影したのがこの写真です。

 

 

撮影機材はいつも通りのSkyWatcher製20cmF4ニュートン鏡。かなり前に接眼部を改造してOAG9やコマコレクターを装着できるようにしたやつです。

カメラはSONY a7sの赤外改造機。

フィルターはIDAS LPS-V3を常用しています。LED街灯にはあまり効果なしかな。

赤道儀もいつもの改造Pentax MS-5です。改造してから導入速度も速くなったし、快調です。

 

今回は撮影枚数を稼いで287枚コンポジットしました。

ISO3200で30秒露出です。

撮影前半は人工衛星の通過が多く、何十枚かが没になっています。

結局、総撮影時間5時間余り、総露出時間は8610秒=143.5分=2時間23分30秒。

 

撮影時間に対して露出時間が半分ほどにとどまっているのは理由があるんです。

と言うのはディザリングガイドを行っているためです。

オートガイダーはPHD2を使っていて、PHD2のディザリングガイドの機能を利用しています。

ディザリングガイドとは、1枚撮影すると、ガイド星をランダムに数ピクセル分位置をずらして、次のフレームを撮影するということを繰り返していく撮影方法です。

このことにより、CMOSセンサーの感度ムラによる模様のようなノイズをなくすことが出来ます。

ただ、欠点もあって、ガイド星をランダムにずらすと、ガイドが安定するまで待たなくてはいけません。そのために約30秒ほど必要になってきます。

つまり、30秒露出して、30秒ガイドが安定するまで待つ、を繰り返しているわけです。

で、歩留まりが50%になってしまうのです。

なんかもっといい方法がないものかと考えてはいますが…

 

画像処理もいつもと変わりません。

ダーク引きやコンポジット、フラット処理はステライメージ9で行いました。

ステライメージでtifイメージを出力し、StarNetにかけて星を消します。

次にフォトショップCS5であぶり出しや背景のノイズ消しをします。

最後に星だけの画像とステライメージで加算合成して出来上がりです。

 

StarNetは、今回は前と同じStarNet++を使用しました。

画像処理後に気が付いたのですが、新しいバージョンのStarNet v2と言うのが出ていました。

StarNet v2で星消しをしてみたところ、先ず処理が早くなっていました。印象では1/3くらいの時間でできるんじゃないかな? てな感じ。

それに、StarNet++ではM65の中心部が星と間違われて消されてしまうんですが、StarNet v2ではそのようなことは起きませんでした。たぶんアルゴリズムが変更されて改善されているのでしょう。

また時間があればStarNet v2で処理をやり直してみようかな、と考えています。

 

今回、撮影枚数を287枚とかなり枚数を稼いでみましたが、まだまだノイズが目立ちます。

特にNGC3628の周囲にある緑色のノイズがかなり目立ちます。

このブツブツ感をなくそうとしたらもっと枚数が必要なのかなあ?

一つの対象に数日がかりで撮影しなくてはいけなくなりそうです。なかなか大変だあ。

 

それからもう一つ、画像処理で消してしまいましたが、M66とNGC3628の間にかなり目立つ天体が写っていました。約10等程度でゆっくり移動する天体で、人工衛星ではないようです。多分小惑星かな?とは思いますが調べる手段がないもので断定できていません。

 

また晴れの日があれば撮影してみましょう。

春はやっぱり銀河かな?

 

 

 

それではまた