【ツイート①】

記事[「監察医 朝顔」(118日放送分)


《保育園のお友達と喧嘩してしまったつぐみ。母親の朝顔は「どうして喧嘩したの?」と訳を聞くがつぐみは話さない。そんな折、朝顔の職場の同僚が解剖中に怪我をしてしばらく出勤できなくなり、その穴を埋めるため、つぐみを保育園に泊まらせることになることをつぐみに告げるが、つぐみはそれを拒否。更につぐみは「保育園嫌い!お母さんも嫌い!」と訴える。「いい加減にしなさい!」と叱ったところつぐみは部屋を飛び出してしまう。》

友達との喧嘩は子どもの世界では日常茶飯事。ドラマでは、友達による風評被害が原因でしたが、仮にその子供に非があったとしても、その子が、問題を抱えている「充電場面」(下表)に居ることには変わりありません。

 また、子ども同士のトラブルの解決を図るためには、本人が自分の気持ちを打ち明けることが必要不可欠です。しかし、そのことは気持ちを平穏に保った状態、すなわち「活動場面」に移って初めて可能になる行為です。

 つまり、今の「充電場面」を抜け出すために必要なことは、子どもの気持ちを受容し共感する母性の働きです。「どうして喧嘩したの?」と状況の説明を求める父性の働きよりも、「何か嫌なことがあったの?」と子どもの気持ちに歩み寄ること、更には「何か嫌なことがあったんだね?」と子供が傷ついているであろうことを前提にしてコンタクトを取ることが、子どもに「お母さんは自分の嫌な気持ちでいることを分かってくれている」と思わせて「自力回復力」を生み出させるための一番の近道だと思います。

 子供が一度へそを曲げてしまうと、その後回復するのに時間がかかる場合があります。それだけに、始めのコンタクトがとても大切になります。


 ただし、このドラマの朝顔はその後、別室の布団に閉じこもったつぐみに対して「大きな声出してごめんね」と謝っています。親も人間ですから誰でも間違いはあります。大切な事は、この朝顔のようにその後に反省をして、子どもにその気持ちを伝えることができるかどうかだと思います。朝顔が謝ったために、つぐみが意地悪を言われたことを打ち明けてくれたのです。


【ツイート②】

記事[「HSCを守りたい」斎藤暁子著(風鳴舎)より]

①《文部科学省の委託で、社会学者の森田洋司氏が、不登校の追跡調査をやっています。中学3年生の時点で、完全不登校だった子供の5年後を調べたところ、最初の調査では約77%が、2回目の調査では約82%が、仕事をしているかあるいは学校に行っていることが分かりました。つまり、少なくとも8割の子供達が、普通に学校に行っていたり、仕事をしていたりすると言うことです》

②《将来自分で収入を得られるかどうかは、自分が育ってきた中で、今までダメージをどれだけ受けてきたかによる》

→(①より)8割の子供達が、普通に学校に行っていたり、仕事をしていたりすると言う事はとても心強い調査結果です。しかし、これは、子どもに対してどんな対応をしていても、子どもが勝手に立ち直ることができると言うことではありません。子どもの苦しみを受け止め、余計なプレッシャーを与えず、ゆっくりと心を休ませることができた場合のことだと思います。すなわち、約2割の子どもは、残念ながらそういう環境に身を置くことができず、回復に至ることができなかったという意味でもあります。

 (②より)子供が不登校に陥った場合、周囲の大人がプレッシャーを与え、更に苦しみを与えた場合、そのプレッシャーが強ければ強いほど、また、期間が長ければ長いほど、将来子どもが自分で生活できなくなる確率が高くなるということでしょう。


【ツイート③】

記事[「テレビ寺子屋」より第2190回「もう一度届けたいメッセージ ~心のスイッチ~」山﨑洋実氏](https://www.sut-tv.com/sp/show/terakoya/backnumber/post_567/)

《①ある子供が、ファミレスの待合室の近くにあったおもちゃ売り場にあった人形を見つけて「お母さん見てみてかわいい」と言った。それに対して母親は「もう、やだ。似たようなおもちゃ持っているでしょ。それにあんたすぐに飽きるでしょ。きょうは買わないから、置いてきなさい。」と矢継ぎ早に言った。こういう時に大切なのは「YES(「あぁ、ほんとだねぇ」)という子どもを肯定する言葉。子どもは普段「してはいけない」という「 NO(してはいけません!」)ばかりもらっている。特に子供の感情の言葉には「YES」が必須。つまり「①今日◯◯ちゃんと遊んだの。②楽しかった」の①(事実の描写)に対しては「そうだったの」で良いが、②の感情に対しては「良かったねぇ」と言う「YES」の働きが必要。「YES」をたくさんもらっている子供は自己肯定感の高い子供に育つ。

②たとえ親であっても、子供にはコントロールできることとできないことがあることを知って欲しい。「お母さん頭痛い」「痛くないでしょ。少しくらい我慢しなさい」

③本人が受け入れられない時はどんなに良いアドバイスもどんなに素晴らしいツールも役に立たない。「あんたはダメだ」と言われたら心のスイッチは入らない。》

①「あぁ、ほんとだねぇ」という子どもを肯定する「YES」の働きは、いわゆる子どもを受容する母性の働きです。「特に子供の感情の言葉には「YES」が必須」という指摘は本当にその通りだなあと思います。

 「お母さん頭痛い」(体調不良)は明らかに問題を抱えている「充電場面」(下表)にいる状態です。対応を間違えてはいけないと思います。特に人の気持ちを敏感に見抜いてしまうHSCの子どもの場合、親子間の愛着(愛の絆)そのものに傷が付いてしまう恐れもあります。

③「本人が受け入れられない時」と言うのもやはり「充電場面」にいて何らかのストレスを背負い問題を抱えている時です。

①は問題を抱えている場面ではありませんが、普段の「日常場面」では、いざ問題が起きた時に耐えるだけの安心貯金”(「そうだねぇ」等の「共感」他「安心7支援」による)をしておく必要があると思います。


【ツイート④】

記事《パパの子育ての悩み(NHK「すくすく子育て」)(https://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2020/828.html)

《相談〜①絵本を読んでいる娘に近づいたとき、ママじゃないと思ったのか泣き出してしまいました。絵本を読んであげようとしても「イヤ!」と言われます。(11か月 女の子のパパ)②娘を着替えさせようとしたら、「パパはイヤ! ママがいい!」と泣き叫び、断固拒否されます。(23か月 女の子のパパ)

助言〜日常生活を考えると、ママのほうが子どもと関わっている時間が長い場合が多いと思います。子どものお世話やケアなど、ママの負担が大きいわけです。「見えない家事」という言葉がありますが、「見えない育児」もたくさんあります。子どもの食べこぼしを拭いたり、熱が出たときは病院や保育の手配をしたり。そのような部分にも関わっていると思います。決して、パパが育児をしていないわけではありません。でも、ママがどれだけ子どもと過ごして、日常に関わっているかを考えてみましょう。どうしても何かあったら、子どもも「ママ」となってしまうと思います。》

父親の役目は① 23歳頃の母子分離の補助②子供の遊び相手③子供のしつけ役だそうです。

 つまり23歳以前の子供が母親の近くにいようとする事はごく自然なことだと思います。また、発達心理学者のエリクソンによれば、3歳以降(幼児後期)は子供は「積極性」を身に付けるため冒険的な活動をしたがるとされています。お父さんの出番はその時の子供の遊び役や、遊びを通してのしつけ役だと思います。子育てで活躍する場面が違うのですね。


【ツイート⑤】

記事[もう一度聞きたい! 専門家のことば]NHK「すくすく子育て」より(https://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2020/817.html)

相談《3歳半の娘がいます。家族の中では楽しそうに遊びますが、公園など外では知らない子がいると一緒に遊べません。他の子がいると急に静かになったり、「おうちに帰る」と言ったりします。このままで大丈夫なのか悩んでいます。(36か月 女の子のママ)》

助言《公園に行くと、親は「せっかく来たのだから遊んでほしい」「滑り台をしてほしい」等と思い、子どもが動き出す前に声をかけてしまいます。その気持ちもよくわかります。ですが、子どもは自分なりに安心できて初めて、ようやく一歩を踏み出すので、そのためにはある程度の時間が必要です。表情や体が硬い間は、遊びに誘われるのも嫌がります。楽しそうな表情になる瞬間を見逃さず、そのときに少しはたらきかけてみるといいかもしれません。》

「公園など外では知らない子がいると一緒に遊べない」というのは「充電場面」(下表)の状況。そういう時は「表情や体が硬い」です。そういう時に必要な支援は、「友達と遊べるようになって欲しい」という社会的な自立を促す父性の働きではなく、「知らないお友達だから心配なんだね」等と、子どもの不安な気持ちに共感する母性の働きです。そうすれば「自力回復力」(下表)が働いて、少しずつ慣れていきます。この回の放送では、子どもが慣れるまで強制せず待ってあげていました。

加えて、幼稚園や保育園に行きたくなくて泣き出す子供さんがいますが、このような時も、親御さんのご都合もあるとは思いますが、子どもの不安な気持ちに共感しハグをしてあげて、子供の「自力回復力」が働くまで待ってあげる姿勢が大切だと思います。仮にその日の朝には行けなくても、その日の夜も特にスキンシップを中心に「安心7支援」を施して、翌日に期待する等の待ちの姿勢が必要です。

 母親から離れられないのは、それまでの愛着形成が十分ではなく「養育者の内在化」(→https://ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12527923939.html)が行われないためと考えられます。その長いツケのために、ハグや共感をしても、いきなり登園できるようになるとは限りません。特に待ちの姿勢が大切です。無理にいかせようとすると、子供がHSCタイプだった場合、親の気持ちの押し付けを見抜き、親に心を閉ざしてしまう危険もあるので注意が必要です。