13年間口をきいていない弟と仲直りしたいという姉からの依頼。
ある日、受験生の姉とその弟(A君)とが2人だけで留守番をしていた。すると弟が所用で外出したため姉は家の内鍵をかけて部屋にこもって勉強していた。その後弟は直ぐに帰宅したが、鍵を持って出ていなかったために家に入れず何時間も玄関先で待つ羽目になった。 親が帰ってきてようやく家に入ることができたが、激怒した弟は姉に向かってエアガンを乱射。それ以来2人の関係は険悪になり13年間話をしてこなかったという。
この2人を仲直りさせるため、番組から派遣された澤部探偵は問題の解決へと乗り出した…。
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さて、ここからは、このような兄弟喧嘩の時、親がどう仲裁すれば二人のわだかまりを無くすことができるのか?についてこの事例を使って考えます。
基本は次の3ステップです
①お互いの言い分を一人ずつ聞く(相手の言い分を互いに聞かせる)
②それぞれの言い分に共感する
③互いにどうしていれば良かったのか気付かせる
ステップ①「お互いの言い分を一人ずつ聞く」
姉「自分が一人になったから危ないと思って内鍵をかけた。まさか弟があんなに早く帰ってくるとは思っていなかったし、ドアを閉め切って勉強していたから弟が帰ってきたことに気が付かなかった」
弟「普段、家の中に家族がいる時は鍵をかけていないから、まさか閉められているとは思わずびっくりした」
ステップ②「それぞれの言い分に共感する」
親「お姉ちゃんは自分一人になったから防犯のために内鍵をかけたんだね。分かりました。A君は、いつもは誰かがいる時は鍵をかけていなかったからびっくりしたんだね。何時間も玄関先で待つことになっちゃったしね。分かりました」
(それぞれの“もっともらしさ”を汲んで、それに共感する)
ステップ③「互いにどうしていれば良かったのか気付かせる」
親「お姉ちゃんはどうしていたら良かったと思う?」
姉「家族の中で『子ども一人だけになった時は防犯のために内鍵をかける』というルールを作っておけば良かったと思う」(もし答えられない時は教える)
親「A君はどうしていたら良かったと思う?」
弟「どのくらいで帰ってくるかをお姉ちゃんに言っておけば、お姉ちゃんも気付いてくれたと思う」(もし答えられない時は教える)
親「そうだね。これからはお互いに気を付けようね」
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因みに、私の経験上、②まで出来れば「親に聞いてもらった」という満足感から問題はほぼ解消します。それだけ子どもから話を聞くということは子どもの気持ちを受け止めるうえで大切なことなのです。
また、この仲裁の際には親は、微笑んだり頷きながら聞いたり「安心7支援(→https://ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12365150177.html)」
によって肯定的・受容的な雰囲気を醸し出し、子どもが話しやすい雰囲気をつくることも必要です。
更に、最後は“喧嘩両成敗”のモットーに従って「これからはお互いに気を付けようね」として終わるとベストです。
兄弟喧嘩については、過去投稿記事「兄弟げんかをどう回避させる?〜「家庭内ルール」「気持ちの受容」「喧嘩両成敗」のススメ〜」(https://ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12218978660.html)もよろしければご参照ください。
なお、この①〜③の方法は家族内だけでなく、我が子とその友達や、大人の職場などでも同様です。自分の気持ちを受け止めてもらうことで満足感を得られるのは年齢、性別、職業等に無関係だからです。