雰囲気の異なる二つの家族
   突然ですが、以下のAとBの家族の様子をご覧ください。
A
B

   さて、この2つの家族、どちらもある家族のリビングでの様子ですが、雰囲気がずいぶん違います。「A」は家族同士の会話が弾み、「B」はそれぞれが自分のことに集中して家族の交流が殆どありません。

両者の違いはスマホの有無
   言うまでもありませんが、「A」の「サザエさん」は昭和の頃の家族の様子を表しているアニメです。そして「B」の画像は現代の家族の様子を表しているものです。両者の家族の雰囲気を決定づけている象徴的な違いがスマホの有無です。このスマホの登場によって、家族の「愛着(愛の絆)」が崩壊し始めているということについては、精神科医の岡田氏が著書の中で指摘しています。

“家族団らん”の中の「愛着7」
   人と人との間に「愛着(愛の絆)」を形成するため方法として「愛着7」があります。その中の②〜⑥は以下のようなものです。
②スキンシップを図る
③子供を見て微笑む
④子供に穏やかな口調で話しかける
⑤子供の話をうなずきながら聴き共感する
⑥小さなことから褒める

   お馴染みの「A」の家庭では、スマホをいじる家族はいないので、いつも家族同士が見て微笑み(③)あったり、温かな会話(④)があったり、子供の話を聞いて(⑤)あげたり、ときには大人が子供を褒めたり(⑥)するといった、家族同士の愛着を形成する場面が頻繁にあります。

   逆に、「B」のような家庭では、各自がスマホ操作に夢中になっているため、家族同士の視線も合わなければ微笑みもありません。会話もありません。つまり、「愛着(愛の絆)」を形成するための行為がほとんど行われていないのです。

“「愛着」崩壊家族”の末路
   このような毎日を過ごしているうちに、家族同士の「愛着(愛の絆)」が崩れていくのです。そんな状態のところに家族同士の揉め事が発生すると、場合によっては家族内の暴力が起きるのです。つまり、昨今、昭和の頃に比べて、家族内の殺人事件が急激に増えてきているのは、このスマホ依存による家族間の「愛着(愛の絆)」の崩壊が要因の一つであると考えられるのです。

家族の「愛着」崩壊を防ぐ
   因みに、皆さんのお宅は「A」と「B」のどちらに近いでしょうか?気づかないうちに、皆さんのお宅もスマホによって“「愛着」崩壊家族”に近づいているかもしれません。例えば「食事中はスマホの操作はしない」等の家族内のルールを作るべきかもしれませんね。