【今回の記事】

【記事の概要】
   以下の①〜⑧のテーマについて、それらに関わる各記事(下記の青字部分)にジャンプできます。もしジャンプできない場合は、お手数ですが、上記「今回の記事」のサイトからアクセスしてください。
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   いい子に育てたつもりなのに、大きくなるにつれ、反社会的な問題行動をとる子どもに気を落としたりしていませんか? ひょっとしたら子どもの心理状態を知ることで、子どもとの距離が少し縮まるかも。

親の財布からお金を盗む子の心理とは?

子の不登校、親はどうする?

③子の自殺、その兆候とは

④子ども同士のトラブル対処法

⑤子どもの万引き、どう対処する?

⑥子どものギャングエイジをどう乗り切る?

⑦危険!子どもの夜遊びはなぜおきる?

⑧いい子がだった…が、なぜ犯罪を犯したのか?

   今回は上記の「②子の不登校、親はどうする?」の中から、私が特に注目した子どもを不登校にさせないポイントは?」について、紹介します。
   それ以外の記事については、関心のあるものを参照ください。
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子供を不登校にさせないポイントは?
   学校に行きたがらずに、家に閉じこもってしまう子ども。子どもを不登校にさせないために、親はどんなことに気を付けるべきなのか? また、もし不登校になってしまったら、どのように接すればいいのでしょうか?
   不登校支援センターで、不登校の児童のカウンセリングを担当する中山智樹さんに話を伺いました。(以下「   」は中山さんのお話。)

親の理想の高さが不登校の引き金にも
   これまで数々の子どもたちと向き合ってきた中山さん。不登校になりやすい子どもの特徴について、次のように語ります。
「とりわけ不登校になりやすい子は、真面目ゆえに理想が高く頑固な面も持ちあわせています。また、自己評価低い子が多いです。そういう子は、『テストで何点取らなきゃ行けない』『友達は何人以上いないといけない』というような理想を持っていて、それが上手く行かない場合、上手くいかない自分をさらけ出したくないと学校に行けなくなってしまうんです」
   じつは、その理想押しつけているのがであるケースが多いのだそう。
「そういう子は、周囲からの発言の受け止め方も極端だったりします。例えば、お母さんから『勉強をしなさい』と言われるとします。普通、子どもがどう考えるかというと、『ちゃんと勉強しよう』とか、『うるさいな。関係ないじゃん』といったことが予想されますよね。ただ、なかには『勉強しないとお母さん嫌われちゃう』と思う子もいます。そういう子は、親の『勉強をしてほしい』という理想を強要されていると、なかば強迫的に受け止めてしまうんです」
親が気をつけるべきは評価の基準
   そうしたタイプ(真面目、頑固、自己評価が低い)の子は、親の評価を気にしすぎてしまうあまり、思わぬ行動に出ることも。
「精神状態がいいときは、『勉強頑張ったね』と褒められるように行動するのですが、精神的に不安定になった場合は、親の関心さえ引ければ手段はどうでもよくなります。つまり、勉強を“頑張る”のではなく、“頑張らない”という逆の行動に移すようになるわけです。学校に行く・行かないも同じで、親に行きなさいと言われると、逆に行かないという行動にでる。子どもからすれば『親が自分のことを気にしてくれる』ということが、ゴールになってしまうのです」
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このようなとき、親は子どもにどう接すればいいのでしょう?
「親と子どもの関係は密接であるがゆえに、さまざまな要求をお互いにするものですが、まずは“結果”だけを見るのをやめることです。テストの点数が悪いとき、『なんでこんな点数なの?!』と注意をすることによって、自分を否定されたと相当なストレスを感じる子どももいます。そうなれば、そのストレスの原因になる学校への足も遠のきます。なので、視点をちょっと変えて、『よくテストの結果を見せてくれたね』と、“過程”を評価してあげる。そうすることで、子どもは信頼されていると、徐々に安心感を持つようになります」
家庭で安心感を持てない子どもは、外に出ることに自信が持てず、不登校にもつながってしまいます。まずは、親が子どもの自尊心を傷つけないよう、接してあげることが大切なのかもしれません。

【感想】
   私はこれまで、不登校に陥る原因は、友達からのいじめや教師からの厳しい叱責等、学校内にあるストレスが主であると考えてきました。しかし、この記事は、学校での学習や生活に端を発するものではあるけれども、それに関わる“親による厳しい評価”が原因である場合もあることを指摘しています。今回私がこの話題を特に取り上げようと思ったのは、そのためでした。

   記事中では、不登校になりやすい子のタイプとして「真面目」「頑固」自己評価が低い」を挙げています。これらは、「不安型」の愛着不全の子供に見られる症状とよく似ています。「不安型」の子供は、頑張れた時は褒められるが、そうでない時は激しく怒られるケースに多く見られ、そのため「お母さんから嫌われないようにしよう。そのためには、………でなければならない」という叱られないための“完璧主義(「真面目」「頑固」)”に陥ります。しかし、内心は「いつまたお母さんから叱られるだろう」と「ビクビク」「ドキドキ」も心理状態にあります。そのため自分に自信が持てず「自己評価が低い」状態にあり、精神的に不安定になりやすいのです。
   精神的に不安定になると、記事中にあるように、「親の関心さえ引ければ手段はどうでもよくなる」ため、無意識のうちに怒られる行為をして、母親に気をかけてもらおうとするのです。しかも、様々な種類の“怒られる行為”の中でも、母親から怒られるネタとなりやすい“学校”という場から距離をおこうと防衛本能が働いて、「学校に行きたくない」という発言をするのでしょう。

   さて、この「不安型」の子供にしないためには、先にお話しした通り、子供の“出来栄え”という“結果”だけに目を奪われて、子供を評価しない事が大切になります。この事は、上記記事中でも指摘されていますが、“結果”が悪いと叱られることを恐れている子どもに対しては、“結果”よりも、「よくテストの結果を見せてくれたね」と過程の努力”を評価してやることが不安感を取り除くことに繋がります。なぜなら、どんなに頑張っても良い“結果”が出せない時はありますが、“努力”は自分次第でできるという安心感があるからです。

   しかし、結局、母親からの評価が気になるという子供は、自分と母親との間の“”=「愛着(愛の絆)」に自信がないのです。“愛の絆”に自信が無ければ、「お母さんから嫌われるかもしれない」という不安感を抱かざるを得ませんが、“愛の絆”に自信があれば、お母さんは私のことを好きでいてくれている」という安心感を抱くことができます。
   つまり、母親の顔色ばかりを伺い、精神的に不安定な子供にしないためには、「愛着7」のような愛情行為によって、子供との間の愛着愛の絆)」をしっかりと形成し親子関係に自信を持たせること、更に、“結果”ではなく、“過程の努力”に目を向けて子供を評価することが重要だということになります。「よくがんばったね」と褒められれば意欲が湧きますし、「がんばりが足りなかったんじゃない?」と叱られれば、「次はもっと勉強すればいいのだ」と以後の取り組み方に対する見通し生まれます。子供は「自分の意識次第で“努力”はできる」と分かっているからです。