【今回の記事】
【記事の概要】
服を裏返したまま脱いでしまい、そのまま洗濯してしまうことが、多々ある長女メリ。注意してもなかなか直らなかったのですが、ある日…
このエピソードの中で一番のカギは、このシーンだと思います。
一般的に私達は、自分がとった行動の結果、自分にとって不利益な状況が起きると、次からは不利益が起きないような行動をとるようになります。ですから娘さんは、
逆に、自分がとった行動の結果、自分にとって有益な状況が起きると、次からも同じ行動をとります。今までは、自分が裏返しで脱いでもお母さんが表にしてあげていたために、着るときには、着やすい(有益な)状況になっていたので、また“裏返しで脱ぐ”という行動をとり続けていたのです。
しかし、今回のエピソードは、たまたま娘さんがお手伝いをしてくれた時に、これもたまたま自分の服を見つけたという偶然の結果、娘さんの意識の変化が起こったものでした。
しかし、この娘さんの変化を意識的に起こす方法があります。それは、娘さんが裏返しで脱いだ服をそのまま洗い、乾いた服をたたむ時もそのまま裏返しでたたむのです。そうすると、子供は服を着ようとした時に、「表にするの面倒くさいなぁ」という不利益を感じるのです。
しかし、急に始めると家族からの不満が起こるかも知れません。そこで、お母さんは、娘さんに限らず、家族のみんなにニッコリ笑って「これからは、裏返しのまま洗濯槽に入れた人の服はそのまま洗ってそのままたたみます。自分のことは自分でしましょう。」と予告しておけばいいのです。うっかり裏返しのまま脱いだ時には、後で自分に不利益が生じるので、「あ、いけない!裏返しで脱いじゃったんだ。」と気づき、次回から気をつけるようになります。
つまり、子育てをするうえでは、お母さんが少し手を抜くくらいが丁度いいということが言えるのです。「1人でできる子になる『テキトー母さん』流子育てのコツ」(立石美津子著)という本まで出版されている程です。
何でもお母さんがやってあげると、お母さんだけストレスがたまると同時に、子供は様々な生活上のスキルを身に付けないで成長してしまいます。その結果、いざお嫁に行った時に、旦那さんから「え?そんなことも出来ないの?」とビックリされるかもしれません。
そういう意味でも、やはり“お手伝い”という作業は、さまざまな生活技能を身につけるうえでとても大切なものなのです。