先日、あるテレビ局で、地域に伝わる伝統工芸に携わる職人さん達を特集する番組を放送していました。その中で、この職人さん達にショックを与えたというある母親の発言が紹介されました。 
   ある見学ツアーで自分の子供とともにその仕事場を訪れていた母親は、その人達を前にして、我が子にこう言ったそうです。
たくさん勉強しないと、こういう人たちになってしまうよ」 
当然のことながら、職人さん方は、この母親の発言に大きなショックを受けたそうです。

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                         (写真はイメージです)

   私は以前、ツイッターで次のようなツイートをしていました。
もはやお年玉はこの時期の風物詩にもなっていますが、余りにも当たり前になったが為に、子供も『お年玉を貰うのは当たり前』という意識でいるのではないでしょうか?そのためか、自分から『お年玉は?』と催促したり、もらった人の前で直ぐ袋を開けたり、時にはその金額に不満げな表情を浮かべたりする子供もいそうな気がします。まだ子供ですが、いや子供だからこそ、今のうちに、戴くものに対する感謝の気持ち”と“慎み深さを教えておきたいものです。
   しかし、その“感謝の気持ち”と“慎み深さ”が欠如していたのは、子供ではなく、見学をさせていただいたにも関わらず、働いている方々の前で、恥ずかしげも無くその人たちを侮辱する発言をしたその母親でした。

   その母親の中では、「職人=収入の少ない人達」と言うイメージがあったのかも知れません。確かに経済面で恵まれない家庭が増えている事は事実ですが、親が大人の価値観を子供に押し付けて子供の興味・関心を潰しててしまっているのもまた現実です。更に、本来子供にお手本を見せるべき大人の方が、見せてはいけない言動をしてしまっている場合が少なくないのもまた残念な現実です。

   この母親の事例も、他者との間に「愛着(愛の絆)」を形成できない(他者を大切に思う気持ちを持てない)「自己愛(自分さえよければ良いと思う気持ち)」の表れであり、「脱愛着」の象徴と言えるのかも知れません。