【今回の記事】

【記事の概要】

   子どもがいると、いろいろな理由で泣かれることがあります。「お兄ちゃんが先にドアを開けた」だとか、「キックスケーターを2台づかいしようとして転んだ」だとか、泣くのには、実にたくさんの理由があるのです!でも、口げんかや取っ組み合いで子どもたちが大泣きするのはうんざり、というときもあります。時間がないときには、つい「泣くのはやめなさい!」と言って(あるいは叫んで)しまいます。

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子どもが求めるのは、共感と理解

   子どもたちが感情を持っていることはわかりますし、たとえ私たちがくだらないと思うようなことで泣いていても、共感し、感情をコントロールすることを教えるのが私たちの仕事なのです。臨床心理学の修士号を持つ母親のSaraさんは次のように指摘します。「感情をコントロールする力を養うのは、共感理解によってであり、泣くのをやめさせることによってではない」「私たちの多くが『泣きやまないと、もっとひどい目にあわせるよ』などと言われ、厳しく叱られすぎたために、感情を抑え込むようになる」。でも実は、このやり方が親の仕事をいっそう大変なものにしているそうです。更にSaraさんは次のように指摘します。子どもたちは共感と理解を求めています。そしてそれが得られないと、得ようとし続けるのです。」つまり、子どもたちは、ただ自分が本能的に求めている反応を引き出そうとして、泣きわめき続けるのです。

叱る代わりに、子どもにしたい10の声かけ

   それでは、親は何をすればいいのでしょう。疲れてイライラしている上に、もしかしてほかの子どもだって抱えているかもしれませんよね? 「Happiness is Here」では、代わりに10の声かけを提案しています。たとえば…

  • 「悲しんでもいいんだよ」
  • 「時間が必要なのね。私は力になりたいの。あなたの準備ができたとき、私をすぐ見つけられるように、そばにいるからね」
  • 「うまくいくように手を貸してあげる」
  • 「聞いていますよ」

子どもがなぜ泣いているのかを理解する

   Saraさんはまた、子どもが泣いているときにしてはいけないことをいくつか挙げています。気をそらせる罰するなどです。筆者自身は、泣いている子どもにお菓子を与えるのは好きではありませんクッキー欲しさに泣かれても困るし、お菓子で気をそらしたいという衝動に駆られることはあっても、食べることで感情をごまかしてほしくないと思うからです。子どもが感情のコントロールを学ぶのをサポートすることは、親としてもっとも難しい仕事のひとつです。でも、少しスローダウンして時間を取って、泣いている子どもの感情を理解しようとすればきっと報われるはずです。とにかく、大泣きしている時間は短くなるはずですし、やがては子どもは感情のちゃんとした扱い方を見つけるでしょう。

【感想】
   私が今回の記事で1番気持ちを惹かれた記述があります。それは次の記述です。
子どもたちは、ただ自分が本能的に求めている反応親からの理解」と「共感」)を引き出そうとして、泣きわめき続けるのです
これが、子供たちが泣き続ける理由。それは、自分の気持ちを“理解”して欲しいから、自分の気持ちに“共感”して欲しいからなのですね。
   と言う事は、それらが得られない限り子供は泣き続けますし、いくら泣いても得られない場合は子供は求め続ける事を諦め、その結果、母親に対する“信頼感”、つまり「愛着(愛の絆)」が弱くなってしまうのだと思います。

   これらの子供へのサポートの順番としては次のようになるでしょう。
①まず、子供の気持ちを「理解」すること
②次に、「①」で理解した子供の気持ちに「共感」すること
   上記記事では、提案されている「10の声がけ」で“泣く気持ち”を受け止めることを「共感」と捉えて、その後泣き止んでから子供の気持ちを「理解」すると指摘しているように解釈できます。もちろん「①」の「理解」の為に子供が“泣く気持ち”を受け止めることは必要ですが、私は、子供が最も「共感」して欲しいのは、“自分が嫌だった気持ちだと考えます。そこで、敢えて、始めに子供の気持ちの「理解」、次に「理解」した子供の気持ちに対する「共感」と考えました。

   そして「①」の中で特に大切なのは、子供の気持ちを理解しようとする親の姿勢です。仮に、すぐには子供がなぜ泣いているかが分からなくとも、一生懸命その理由をわかってあげようと努力する親の姿勢こそが、子供の心に響くのだと思います。子供は敏感です。同じ理由を問うのでも、
A「何が嫌なのか早く言いなさい!
B「何が嫌だったの?お母さんに教えてくれる?
とでは、天と地ほどの差があります。「A」のような聞かれ方をされた子供は、自分の気持ちを親に話したいとは思わないはずです。逆に、「B」のような聴かれ方をされた子供は、「お母さんは自分の気持ちを分かってくれようとしている」と感じ、自分の気持ちを話そうと思うに違いありません。

   さて次に、共感」と「理解」の具体的な方法について考えてみましょう。「共感」と「理解」と言うそれぞれの“作用”を具現化する“言葉”は、私のこれまでの経験上、次のようなものになるかと考えます。
①子供の気持ちの「理解」の仕方
泣いている理由が分からない時
⇨「何が嫌だったの?お母さんに教えてくる?」(努めて穏やかな言い方で)
泣いている理由の見当がついている時
⇨「………が嫌だったの?」(同上)
②子供の気持ちへの「共感」の仕方
⇨「そうだったの、………が嫌だったのね(同上)
なお、子供が泣いている理由が“もっとも”な場合は、「あなたの言う通りね」等と“肯定”してもいいかもしれませんが、理由が“的外れ”な場合は、親が肯定してしまうと子供に間違った学習をさせてしまう恐れもあります。仮に、もっとも”な場合と“的外れ”な場合との使い分けをした場合、「あなたの言う通りね」等の肯定する言葉をかけられない場合には、子供は真に親が共感してくれているのか不安になる事もあるかもしれません。しかし、私の経験上、たとえ発達障害の子供であっても、上記「②」のような肯定も否定もしない受け止め方でも、自分の思いを受け止めてもらったと感じ十分満足するようです。

   そして最後に
よく話してくれたね
と言いながら、頭を撫でたり抱きしめたり等のスキンシップを行うと、子供は泣き止み、親子の愛着愛の絆)」もより確かなものになることでしょう。