【今回の記事】

【記事の概要】
(以下、首相会見の抜粋)
   この5年近く、アベノミクス改革の矢を放ち続け、ようやくここまで来ることができました。いまこそ、最大の壁にチャレンジするときです。急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか、この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。それは生産性革命、そして人づくり革命であります。この2つの大改革は、アベノミクス最大の勝負です。
   国民の皆様の支持をいただき、新しい経済政策パッケージを年内に取りまとめる考えであります。4年連続の賃金アップの流れを更に力強く持続的なものとする。そのためには生産性を高めて行くことが必要です。(中略)生産性を押し上げ、今年より来年、来年より再来年と、皆さんの所得を大きく増やしていく。デフレ脱却へのスピードを最大限まで加速してまいります。
   もう一つの最大の柱は「人づくり革命」です。子供達には無限の可能性が眠っています。どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供達、真に必要な子供達に限って、高等教育の無償化を必ず実現する決意です。(中略)幼児教育の無償化も一気に進みます。2020年度までに、3歳から5歳まで、全ての子供達の幼稚園や保育園の費用を無償化します。ゼロ歳から2歳児も、所得の低い世帯では全面的に無償化します。(中略)最大の課題は介護人材の確保です。これまで自公政権で月額4万7000円の改善を実現してきましたが、他の産業との賃金格差をなくしていくため、さらなる処遇改善を進めます。
   子育て、介護、現役世代が直面するこの2つの大きな不安の解消に、大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会補償制度を全世代型へと大きく転換します急速に少子高齢化が進む中、国民の皆様の支持を得て、いま実行しなければならない。そう決意しました。(以下略)

【感想】
   会見の中で、安倍首相は、次のように述べています。
急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか、この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。それは生産性革命、そして人づくり革命であります。」
つまり、少子高齢化に窮しているこの国が今後成長していくための政策が「生産性革命」と「人づくり革命」ということのようです。
   もちろん、「生産性革命」によって生産性を高めて行くことは少子高齢化そのものの改善に結びつくものではありません。
   さらに、「人づくり革命」においても、少なく生まれて来た幼児の為に教育費を無償化しても、やはり、子供の数そのものは何も変わりません。
   すなわち、この2つの革命は少子高齢化の状況そのものを改善するための革命では無く、少子高齢化の苦しい社会情勢の中であっても、いかに成長を続けていくかといういわゆる“対症療法(現れた問題に対して、それを緩和する対処法)”にしか過ぎないのです。例えるなら、表面に出て来たモグラという問題をその度に叩いてその問題を解決する「モグラたたき」式の方法なのです。

   では、“対症療法”ではなく、“原因療法(問題そのものが起きないように、その根本的な原因から解決する対処法)”となり得る方法は無いのでしょうか?

   私は、その“原因療法”となり得るのは、「愛着(愛の絆)」の改善だと考えています。
   精神科医の岡田氏は、「「愛着(愛の絆)」の未形成は、成人後の異性関係に悪影響を及ぼすと指摘しています。つまりそれは、“恋愛や結婚の回避”、“セックスレスや離婚傾向の促進”という形で現れます。乳幼児期に親からあまり構ってもらえなかった人は、母親さえ信じることが出来ない、他人との交流を避けがちな人間に成長します。その為、“恋愛対象との絆”を築こうとする意志が弱い傾向にあるのです。
   つまり、この「愛着(愛の絆)」の未形成という問題を解決しない限り、いくら「教育費の無償化」と銘打ち、お金をばらまいても、“少子化”という状況そのものを改善することはできないのです。無償化の為の財政が圧迫したら、次はどうするのでしょうか?まるで“自転車操業”のような対応ではいつか社会が破綻する時が必ずやって来ます。

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   今私は、その「愛着(愛の絆)」に着目した少子化改善の為の、ある事業モデルの計画を作っています。蒔いたそのタネがいつしか花を咲かせることが私の生涯をかけての“夢”なのです。