今回も目次の順序と前後します。ご了承ください。
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   また、子どもが何らかの問題行動を起こした時は、まず始めにその子の“気持ち”や“わけ”を先に聞きましょう。中京大学で退官された鯨岡峻先生が「子どもの『ある』を受け止めると、子どもは『なる』」(子どものありのままを受け止めると、子どもは自分からあるべき姿になろうとする)という言葉を提唱しています。つまり、問題を抱いている子どもこそ、まず、その子のありのままの気持ちを受け止める、つまりその子の言い分を聞くのです。そのことによって、子どもにはあるべき姿に向かって歩み出そうという前向きな気持ちが自然と生まれるのです。自分のありのままの気持ちを聞いてもらった状態のところに大人の注意や指導の言葉を投げかけると、子どもはそれらを受け入れやすくなるのです。逆に、始めに“気持ち”を聞かず“注意”から始めると、子どもは貝のように口と心を閉ざしてしまいます。
   つまり、問題を起こした子どもに接するときの支援は次の順序で行います。
  1. ①行動のわけや気持ちを聞き受け止める。
  2. ②何がいけなかったか、どうしていればよかったのかを考えさせながら指導する。

       なお、この「①」を行う際に、問題行動を起こした子供にまず初めにかける言葉は、「どうしたの?」です。自分の気持ちを汲み取ろうとするこの言葉をかけられた子どもは、その大人に対して心を開くのです。
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   以前は私もそうでしたが、一般的にはまず叱ることが多いのではないでしょうか。そして、「ちょっと叱り過ぎたかな」と気づいた時に「①」を行う場合もあるでしょう。しかし、これだと指導の言葉が子どもの心に届かないことが多いです。いきなり叱られたことによってその時点で自分の心をとざしてしまうからです。ところが、この順番を守って指導すると、子どもの心に届きます。つまり、
①「(落ち着いた言い方で)どうしてあんなことをしたの?」「そう、あなたは……したかったのね。」
  1. ②「でもね、あなたのしたことはいいことだった?」「ああいう時は、どうしていればよかった?」
この調子で話していくと、子どもは必ず反省します。