これまでこのブログで再三紹介してきた「愛着7」。私は、この支援法が昨今深刻な問題となっている“いじめ”の改善に効果を発揮すると考えています。
   私は以前以下のような記事を投稿しました。
私はこの中で以下のような内容をお話ししました。
国立教育研究所の滝充氏は、いじめが発生するメカニズムについて『加害者の子どもたちは、自分が置かれている環境(家族や学級等)に適応できず不満を抱き、それによってストレスを溜め、それを被害者の子どもに向けて発散している』と結論付けた。
中学校における生徒指導の問題は深刻である。『教師による感情的な暴言』『事実確認のない厳しい指導』『子どもの尊厳を傷つける指導」など、生徒の気持ちを無視した教師の思い込みによる指導や、生徒にレッテル(教師の印象の押し付け)をはり、生徒の尊厳を軽視した指導が(ニュースによって連日)報道されている。この実態は、おそらく程度の違いはあるにせよ、全国的な傾向と考えられる。このような環境の中に置かれた生徒は、当然不満を抱き、ストレスを募らせるはずである。とりわけ、普段から生活態度の良くない生徒となると、教師から目をつけられやすく、『問題のある生徒』というレッテルを張られやすく、より一層ストレスを抱くに違いない。
   つまり、教師との信頼関係が築かれていないため、言葉を変えれば、“家庭”における“母親”のように、“学級”の中で“教師”が「安全基地」(子供が基地の外に出て様々な活動をする中で抱いた疲れやストレスを解消する“憩いの場所”)としての機能を果たしていない、逆に「危険基地」化していることが生徒のストレスを増加させ、結果的に“いじめ”という形になって他の生徒に対して発散されると考えます。

   学校という場は、全ての子供が教師と同じ距離感にあると言う事はほとんどなく、教師から度々声をかけてもらえる生徒もいれば、逆に問題生徒扱いをされ、殆ど交流を持てない生徒もいます。
   しかし、その学校の中にあって、実は、毎日必ず教師が学級全ての生徒と平等に愛着形成を行うことができる場があります。それは、朝の出席確認の時です。当たり前のことですが朝の出席確認は、毎日必ず行われる活動です。その出席確認の場でどのようにして生徒との愛着を形成できるのでしょうか?

   私が、愛着形成の方法の一つの例として提案している愛情行為「愛着7」は、以下の7つです。
乳幼児期(特に1歳半まで)親が子どもの近くにいて、子供の表情に反応して養育に当たる
スキンシップを図る
③子供を見て微笑む
④子供に穏やかな口調で話しかける
⑤子供の話を頷きながら聴く(共感する)
⑥小さなことから褒める
⑦以上の中でやると決めたものは、気分でやったりやらなかったりしない

   これらの中で生徒の出席を確認する時に行える行為がいくつもあります。
   まず、「子供を見て微笑む」です。生徒の名前を呼ぶ時には、生徒をきちんと見て微笑むことができます。
   次に、「子供に穏やかな口調で話しかける」です。生徒の名前を呼ぶときは心を込めて穏やかな言い方で呼ぶことができます。
   また、「子供の話をうなずきながら聴く」も出来ます。ここで言う子供の話」とは、生徒の「はい」と言う返事です。たった一言の返事に対しても、教師が無反応でいるか、きちんと頷くかでは天と地と程の差があります。生徒は「自分を受け止めてもらえた」という意識を持つことができます。
   場合によっては、「小さなことから褒める」も出来ます。元気な返事をした生徒には「元気だね」と褒めることができます。
   逆に元気なさそうに返事をしている生徒には「体調は大丈夫?」と本人の様子に「共感する」ことができます。
   以上の行為を、生徒によってしたりしなかったり、また、日によってしたりしなかったりしない事も大切です(「⑦やると決めたものは、気分でやったりやらなかったりしない」)。生徒の信頼感に影響するからです。
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   出席確認の活動一つとっても、これだけの愛情行為を行うことができるのです。となれば、授業中はもちろん、朝に子供と会った時休み時間に子供達とすれ違う時等にも意識次第で同様に「愛着7」の愛情行為ができます。
   更に、学校だけでなく、家庭であっても、朝に子供が起きてきた時一緒に食事をとる時等にも意識次第で「愛着7」の愛情行為ができます。

   意識して継続的に行えば、必ず子供の言動が改善します。