【今回の記事】

【記事の概要】
遺族の要望で市教委が第三者委を設置
 神戸市垂水区で昨年10月に自殺した市立中3年の女子生徒(当時14歳)について、複数の同級生が毎日新聞の取材に応じ、2年の時から同級生の間で容姿などの悪口を言われ続けていたと証言した。女子生徒はその後、自傷行為を始めており、文部科学省が定義する「いじめ」に該当する可能性がある。市教委の第三者委員会も同様の証言を把握しており、自殺との因果関係の有無を慎重に検討している。
 女子生徒は昨年10月6日午後、同区内の川で首つり自殺を図った。遺書のようなメモにはいじめをうかがわせる記載はなかったが、遺族の要望で市教委が第三者委を設置。全校生徒へのアンケートや聞き取りなどを進めている。
 取材に応じた同級生の話などを総合すると、女子生徒は2年の時から「顔面凶器」と呼ばれたり、「告げ口をした」との根も葉もないうわさを広められたりした。足をかけられたり、授業中に消しゴムを投げつけられたりするなどの嫌がらせも受けていた。趣味の絵や服装についても「きもい」と言われ学校行事の練習で理不尽に責められたこともあったという。同級生の一人は「陰湿なやり方だった。じりじりと追い詰められていた」と振り返った。
 女子生徒は3年になって腕を傷つけるなどの自傷行為を始め、昨年夏には仲の良い同級生に「死にたい」「学校に行きたくない」などと漏らすようになった。
 文科省はいじめを「一定の人的関係のある児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為で、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義している。
 神戸市教委学校教育課は「いじめの有無は第三者委が調査中で、内容については答えられない」としている。
母親「SOSに気付けなかった」
「生きていればいろんな事があったのに。悔しい」。女子生徒の自殺の背景にいじめがあった可能性が浮上し、母親(41)は毎日新聞の取材に言葉を詰まらせた。
 母親によると、女子生徒は美術部に所属し、絵が得意だった。学校行事のポスターや冊子の表紙にも採用された。夢は服飾デザイナーで、家政科のある高校に進学したいと話していた。
 異変に気付いたのは2年の2学期。当時の担任から「ある同級生とトラブルになっている」と知らされた3年時はその同級生とは別のクラスになったが、学校を休みがちになった。昨年5月には「勉強に集中できない。絵も描けない」と訴えたが、「学校で何かあるの」と聞いても「何もない」としか話さなかった担任は保護者面談で「楽しそうにやっている」と説明した
 女子生徒が最期の時に持っていたリュックサックには、「Thank You」と小さく書かれた自作のアクセサリーが入っていた。母親は「(娘のSOSに)気付けなかった。学校に行かせない勇気がなかった。娘を思うとつらくて申し訳なくて……」と語った。


【感想】
   自殺した生徒の母親は「(娘のSOSに)気付けなかった。」と心から悔やんでいます。可愛い我が子を失った悲しみは如何許りかと思います。
   さて、私は以前以下の記事を投稿していました。
この記事の中で私は、子供が親に「ヘルプ」を言いやすい環境を作るうえで、親の「微笑み」が重要であると述べています。
   しかし、この女の子は親に対して「ヘルプ」が言えませんでした。それどころか、母親から「学校で何かあるの」と聞かれても「何もない」と敢えて気持ちを偽って答えていたのです。どこかにヘルプが言い難い環境があったのではないでしょうか?

   さて、その事よりも重要なことは、“担任は女子生徒の事を気をつけて見守っていたのか?”ということです。
   2年の2学期の時点で、当時の担任は「ある同級生とトラブルになっている」と母親に知らせています。3年生になって担任が代わったのかも知れませんが、特にその女子生徒については前担任から引き継ぎを受けていたはずです。しかも、容姿の面でからかいを受けることが予想される生徒であれば注意深く観察することが必要だったはずです。
   女子生徒は3年になって新たに自分の腕を傷つける等の“自傷行為”を始めています。学校も休みがちになっていました。それにも関わらず、担任は保護者面談で「楽しそうにやっている」と説明しているのです。女子生徒が自殺したのはその年の10月のことなのです。明らかに担任による観察不足です。

   また、自殺した生徒、しかも女子生徒に対して「顔面凶器」という心無い言葉をかけていた生徒達がいたということに驚きを隠せません。
   私は以前以下の記事を投稿しています。
この記事の中で私は自分自身の辛い経験と共に次のように述べています。
性格の悪さは自分の意識次第で直せますが、顔や体に関わる“身体的特徴”については本人の努力で治すことが出来ません。だからこそ一番苦しんでいるのはその本人なのです。子供は何も指導されなければ、思った事をそのまま言動に表します。それが普通の子供です。(中略) できるだけ早く“人として言ってはいけない言動”を教えてあげたいものです。

絶対に友達の顔や体のことを悪く言ってはいけないよ
容姿をからかった生徒達は、残念ながらこの指導を親から受ける機会に恵まれなかったのでしょう。
   心無い言葉は時に凶器となって、相手の心に取り返しの付かない傷を負わせるのです。

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