【今回の記事】

【記事の概要】
   口腔崩壊という言葉をご存知でしょうか?10本以上の虫歯などで食べ物をうまく噛むことが出来ない状態を指し、貧困との関係が指摘されています。兵庫県内の小中学校などで調査した結果、35%の学校でこうした児童・生徒がいることがわかりました。
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   虫歯でほとんどの歯が溶け、白い歯は前歯数本しか確認できません。正常な歯と比べると、症状の酷さは一目瞭然です。神戸市長田区にある神戸常盤大学の足立了平教授はこのような歯の状態を「口腔崩壊」と呼び、今、子どもの間で増えていると言います。
「昔に比べると、ずいぶん虫歯が減ってきていると実感するが、なかには極端に虫歯の数が多い子どもさんがいる」(神戸常盤大学歯学博士 足立了平教授)
   足立教授らが兵庫県内の学校で調査したところ、歯科検診で虫歯などが見つかった子どものうち、65%がその後、歯科を受診していないことがわかりました。さらに35%の学校では、口腔崩壊までいたった子どもがいたといいます。この理由について、足立教授は…
要因として考えられるのがひとり親、次に経済的な困窮」(足立了平教授)
口腔崩壊」を起こしている子どもの家庭状況を調べると、「ひとり親家庭」や「経済的困難」を抱えている家庭が3割を超えていて、社会的な問題が背景にあると言います。
働き方の問題が大きく関係していると思います。朝から晩まで働いている人が、(子どもが)泣く甘いものを与えて泣きやませるということをやってきたんだとしたら、そこは変えようがない。その場合はどうしたらいいか、個別的な対応を考える必要がある」(足立了平教授)
   足立教授は、治療費の無料化など余裕を持って子育てが出来る環境を行政が整えることが必要だと話しています。

【感想】
   虫歯のためにほとんどの歯が溶け、白い歯は前歯数本しか残っていないという「口腔崩壊」。
   その背景にあるものは、ひとり親家庭」や「経済的困難」という社会問題であるとのことです。
「朝から晩まで働いている人が、(子どもが)泣く甘いものを与えて泣きやませる」。その理由は、生活の忙しさのために短時間で泣き止ませる必要があるためとのことです。もしかしたら、子供さんが泣いているのは、仕事で忙しいお母さんが余りかまってくれないことによるストレスが溜まっているためかも知れません。もしもそうであれば、甘いものを与えるよりも「抱っこ」などによるスキンシップをしてあげて、まずは安心感を与えてあげる方が先決かも知れません。

   更に驚いたのは、「歯科検診で虫歯などが見つかった子どものうち、65%がその後、歯科を受診していない」という事実です。「口腔崩壊」とは“虫歯のために歯が溶ける症状です。つまり原因は虫歯です。ところが、歯科検診で虫歯が見つかってもその後、歯科を受診ない子供がこんなに多くいるのでは、行き着く先はやはり「口腔崩壊」です。
   おうちの方の都合がなかなかつかないという事情があるのかもしれませんが、それが永久歯であれば子供の一生の財産失われることになるのです。小学生であれば、不衛生な面をからかわれるケースは多いので、その外見をきっかけにしていじめてくる子供もいます。

   学校ではそろそろ春の諸検査が終わった頃ではないでしょうか?子供が悲しい思いをしないように、歯磨き虫歯治療はこまめに声がけをして頂ければと思います。