【今回の記事】

【記事の概要】
   タカラトミーの幼児向け知育ゲームの「課金システム」が、ネット上で賛否を含む話題になっている。
   ゲームの中で注目が集まっているのは、幼児から親への「おねだり」機能だ。課金段階になると、「パパ・ママにおねだりしてみよう!」との文言・ナレーションとともに、「おねだり」ボタンが出現。ボタンを押すと、
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との選択肢が並んだ画面に遷移し、「ひとつ、やくそくをえらんでね!」と促される。任意の「やくそく」を選ぶと、「おねだりかんりょう!」と表示され、「パパ・ママにみせる」ボタンを押すと、親向けの課金ガイダンスに進む

【感想】
約束が守られるなら、課金してあげてもいいかなーと思える」という親御さんもいらっしゃるとのこと。お金を払って子供の生活を良くしようとするゲーム機の登場である。

   本来約束事は、親と話し合いながら、「今の自分の生活の中で直さなければならないのはどこか?それはなぜか?」を自分で考えて決めることが望ましい。この「なぜ」を自分で考えることが大切なのである。
   若干認知心理学の内容になるが、例えば、次のような約束事を決めたとしよう。「ぼくは早ねをがんばろう。なぜというと、朝にねぼうをして朝ごはんを食べれないことがあるからだ」。この場合、「早寝をがんはる」という自分の新たな目標が、「朝ごはんを食べないと体によくない」という自分が既に持っていた知識と結びついた状態になる。つまり、自分の既有知識多数の知識は鎖のように繋がって知識の倉庫”内にある)と結びつく、そのことによって自分の記憶の中に取り込まれ、朝ごはんの必要感と共にいつまでも“記憶の倉庫”内に留まることになるのである。
   その一方で、単にゲームのステージを上げるためにその時の気分で約束事を決めたとしても、自分の既有知識群と結びつくことはない。つまり何の必要感も伴わないまま早晩自分の記憶から消えてしまい、いつの間にかその約束事をしなくなるだろう。結局、生活習慣定着のための正式のプロセスを経ていないためである。

   更に、この親子の話し合いの中で親が子供に「自己責任」という考え方を教えたい
   以前も紹介したが、ベストセラー「子どもの心のコーチング」の著者であり、NPO法人「ハートフルコミュニケーション」の代表理事を務める菅原裕子氏は、その著書の中で、「子供に教えたい3つの力」として「(人を)愛すること」「人の役に立つ喜び」そして責任の3つを挙げている。
   菅原氏によれば、「責任」感が養われないと、トラブルが起きるといつも人のせいにするようになり、自分の責任だと思わなくなる。人のせいにするという事は、自分自身を反省することが無くなるという事であり、それと共に自分の成長も無くなるという事だそうである。
歯磨き」も「早寝」も「片付け」も、自分自身で果たすべき責任であるという考え方を親が教え、普段から「寝坊したのはお母さんが起こしてくれなかったからだ〜!」と人のせいにせずに、自分の力で取り組み成功したり失敗したりする中で自分自身を振り返りながら自己成長出来る子供に育てたいものである。