【今回の記事】

【記事の概要】
   東大生の多くが子どものころしていた学習法として話題の「リビング学習」。
   今回はリビング学習の5つのメリットと4つの注意点をご紹介します。
◯リビング学習5つのメリット
1.リビングには勉強を妨げる誘惑がない
2.適度な緊張感と安心感がリビングにはある
3.リビング学習ならわからないところはすぐに聞ける
4.リビングの適度な雑音で集中力がつく
5.兄弟・姉妹でリビング学習を行うと更に効果アップ
◯リビング学習で4つの注意点
1.質問にはいい加減に答えない
2.テレビはつけない
3.子どもを監視し過ぎない
4.兄弟・姉妹と比べない

【感想】
   上記の「メリット」と「注意点」の中で私が特に注目したのは次の2つです。
◯適度な緊張感と安心感がリビングにはある
◯子どもを監視し過ぎない

   まず、なぜリビングには安心感があるのでしょう?そこでは、親との愛着(愛の絆)を感じることが出来るからです。
   では、なぜ子どもを監視し過ぎるといけないのでしょう?それは、親が見守っていないからです。「見守る」と「監視する」とは意味合いが全く異なります。「監視する」とは、親の目が険しくなっています。「見守る」は、親が微笑んでいます。親との愛着を感じさせるためには、「愛着7」の支援の中の「子供に微笑む」が必要なのです。
   また、「監視する」というのは、子供の行動で親が気に入らない点があった場合、やり直しをさせようとする干渉意識の表れです。親の過干渉の下では子供の自立心は育ちません。基本的に子供に「任せる」態度が必要です
   ところで、「『見守る』ような生ぬるい環境の中で、子供は緊張感を無くして集中力が落ちるのではないか?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、中京大学で退官された鯨岡氏がこういう提言をされています。「子どもの『ある』を受け止めれば、子どもは『なる』」これは、子供の『ありのままの姿』を受け止めれば、子供は自分から進んで『あるべき姿になろう』とする」という意味です。つまり、温かな見守りによって自分を受け止めてもらった子供は、自分から進んであるべき姿になろう」、つまり「集中して勉強しよう」という気持ちになるのです。

   さて、私が子供の「自立」に最適だと思っている支援は「自立3支援」(「①見守る②任せる③命令しない」)です。実はこの中に、今回の「リビング学習」の根拠が詰まっています。「①見守る」「②任せる」は先にお話しした通りですし、「③命令しない」も子供に任せて干渉しないという意味合いがあるのです。

   ただし、子供に「任せる」といっても、子供の方から質問してきた場合は、丁寧に教えてあげる必要があります。あくまで子供の方から聞いてきた場合です。親の方から「何か質問することないの?」と急かすことは「干渉」に当たります。

   子供がリビングでしている勉強の様子を、親が微笑みながら温かな眼差しで見守っている。そんな穏やかな環境の中でこそ、子供は安心して学習に集中することができるのです

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