【今回の記事】

【記事の概要】
   雪崩事故が起きた栃木県と同様、雪山登山は兵庫県の高校も長年実施してきた。指導者らは「生徒にとって大きな成長につながる」と話す一方、スポーツ庁は高校生以下の冬山登山を原則控えるよう改めて求め、兵庫県教育委員会は県立高校などに伝達安全対策と登山教育をどう両立させるか。関係者は頭を悩ませる。
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   栃木県で死亡した生徒らが持っていなかったのが、位置情報を知らせるビーコン(電波受発信器)。だが、高価で全員の携帯は難しいという。「指導者が判断し、必要な危険地帯に生徒を入らせないのが原則だ。雪の降り方、風、地形などに細心の注意を払い、判断力を磨くしかない」と長年指導した元教諭は指摘する。
   兵庫県内の別のベテラン指導者は「雪山の非日常性、達成感、感動は生徒を見る見るうちに成長させる」と雪山登山を一律に控えることには反対。「積雪期の大会や合同合宿は、経験の浅い教諭に技能を伝える場でもある。重要な判断力を磨くことができ、禁止すれば夏山の安全性も低下しかねない」と指摘する。

【感想】
   今回のスポーツ庁による指導のように、高校生以下の冬山登山をさせないという事になると、その経験を持たないまま大学生になった子供はどうなるのか?安全に問題はないと言えるのだろうか?そんなことはない。いつかは冬山に登る人間ならば、その前に必要な訓練を受けていなければならないのだ。
   事故が起きたならば、事故が起きた原因を調べそれ以降はそのことに気をつけて事故が起きないように活動をするのが筋ではないだろうか?

   私が小学校の現場にいた頃に、受け持っていた子供たちの中で体育館の中でドッチボールをしていて窓ガラスを割ってしまった子供たちがいた。私はその子供たちに「どうして窓ガラスを割ってしまったのか?」をよく考えさせ、「これからはそのことに気をつけながら遊びなさい」と指導した。仮に体育館で窓ガラスを割った子供に対してドッチボールを禁止する罰を与えた場合、その子供たちには、周りの状況に気を配りながら活動する思考力判断力が身につかないことになってしまう。

   どんなスポーツにもリスクはつきものである。そのリスクを回避するために、約束事やルールは必ず守るようにしているのである。今回の事故ははその点が不十分だったために起きてしまったのだ。
   スポーツではないが、以前、餅が原因の食中毒(餅つきを含む)」が増えているとして、餅つき自体を禁止にした自治体があったが、やはり同じことが言える。食中毒が起きた原因を明らかにしてその対策を講じれば良いのである。

  このように今後も、「事故が起きた事は禁止にする」という考え方が広がっていくと、特に子供達に「事故が起きないためにはどうしたら良いか」という事を考える力が不足し、その子供達の生活も楽しみのない暮らし難いものになっていくだろう。