① 安定型愛着スタイル
安定型の第一の特徴は、“対人関係”における絆の安定性です。安定型の人は、自分が愛着し信頼している人が、自分をいつまでも愛し続けてくれることを当然のように確信しています。愛情を失ってしまうとか、嫌われてしまうなどと思い悩むことがありません。自分が困った時や助けを求めている時には、それに必ず応えてくれると信じています。だから、気軽に相談したり、助けを求めたりすることができます。
また、安定型のもう一つの特徴は、その素直さと前向きな姿勢です。人の反応を肯定的に捉え、自分を否定しているとか、蔑んでいるなどと誤解することがありません。そもそも人がどういう反応をするかということに、あまり左右されることがないのです。自分が相手の要求を拒否したり、主張を否定したりすると、相手が傷つき、自分のことを嫌うのではないかと心配したりはしません。自分の気持ちを偽ってでも相手に合わせるよりも、自分の考えをオープンにさらけ出した方が、相手に対して誠実であり、お互いの理解につながると考えます。論じ合う時も、がむしゃらに議論に勝とうとしたり、感情的に対立したりするのではなく、相手への経緯や配慮を忘れません。相手の主張によって自分が脅かされたとは受け取らないので、客観的なスタンスを保ちやすいのです。愛する人との別れに際しても、悲しい気持ちを抱きながらも、その気持ちに圧倒されて、心が不安定になったり生きていく勇気を失ったりすることはありません。分かれた相手の存在は、自分の心の中に生き続けていると感じ、それまでの愛情に応えようと、前向きに生きていこうとするのです。
また、仕事と対人関係のバランスが良いことも大きな特徴で、ともに楽しみながら仕事に取り組むということが自然にできます。そのため、ストレスを溜めこみにくいのです。