【今回の記事】

【記事の概要】
①平成27年7月、矢巾町の中学2年、村松亮さん=当時(13)=がいじめを苦に自殺した問題で、県教委は28日、同校の男性校長(53)を減給1カ月(月額10分の1)、男性の前校長(59)と女性副校長(60)、担任だった女性教諭(43)を戒告の懲戒処分にした。いじめ関連での県教委処分は初めて
   管理職3人の処分理由は、村松さんが1年時からいじめを受けていたのに、学校全体として適切に対応していなかったとした。現校長については自殺発生時の校長だったことを重くみた。女性教諭は、村松さんの生活記録ノートにあった「死」の記述を自殺のサインと認識せず、保護者への連絡を怠ったことなど、対応が不十分だったとした。
「いじめの問題を認めてしまうと校長は5000万もらえる退職金が2000万に減ってしまう」――こうしたウワサがTwitterで広まっています。そんな事実はあるのか、定年退職した元教師と東京都教育庁を取材しました。
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元教諭いじめを認定したからといって、校長先生の退職金が減額されるというのは聞いたことがありませんね。ただ、校長という立場は「責任」を求められるポストですので、処分されたり、早期退職などを求められた際などは、結果的に定年まで勤めればもらえたはずの退職金を満額もらえないということはありえるかもしれません。
東京都:都の条例には「懲戒免職などを受けた際には、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる」と書かれています。
   これらの取材から「いじめを認定すると退職金が減額される」というウワサについては、大げさな表現という印象を受けましたが、いじめ問題をきっかけとして何らかの処分に発展したり、退職につながることがあれば、退職金が減額されるという可能性があるということが分かりました。

【感想】
   岩手県矢巾町の中学2年、村松亮さんがいじめを苦に自殺した問題で、県教委が現校長を「減給」1カ月、前校長、女性副校長、担任だった女性教諭を「戒告」の懲戒処分にした。
   ところが、記事②によると、「いじめの問題を認めてしまうと退職金が減額になる」という噂があるという。
   東京都の場合は、条例に「懲戒免職などを受けた際には、一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる」と記されているとのこと。仮にこの考えを岩手の事例に当てはめるとすれば、今回一番処分が重い「減給」でも退職手当等の減額には至らないと思われる。
   つまり、単にいじめを認定したからといって「免職」になるというケースは殆どないと思うし、今後も「いじめを認定したら『免職』処分になった」という前例を作ってしまうのは大変まずいと思う。なぜなら、「いじめ」というものは、いつどこで起きても不思議ではなく、それらを認めると「免職」処分の対象となるということになると、当然“隠蔽”する校長や教育長が出てきても不思議ではないからである。

   しかし、いじめがあると発覚した“の対処の仕方に明らかな怠慢不適切性があった場合は、重い処分を受けてもやむを得ないのではないかと考える。
   例えば、横浜で起きた原発いじめのケースでは、学校側がいじめや重大事態の定義を理解していなかったという初歩的なミスがあった事が分かった。このために、いじめ行為が発覚した後でも、なかなかいじめと認定しなかったという事態に陥り、被害を受けた子供やその保護者に多大な迷惑をかけてしまった。このような場合には、何らかの重い処分を受けることはやむを得ないのではないだろうか?

   これらのことから、私は、いじめがあると発覚した後の対処の仕方に、明らかな怠慢や不適切性があった場合は、何らかの処分の対象となることがある」という条例文が明確に設けられることを願う。何故ならば、そのようにはっきりと明文化されれば、たとえいじめが発覚しても、その後に適切な対応を取れば処分の対象にはならずに済むため、学校の隠蔽体質も改善されるはずだからである。