【今回の記事】

【記事の概要】
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不適切な保育実態が指摘されている兵庫県姫路市の認定こども園で21日夜、保護者説明会が開かれ、保護者から批判が相次いだ。
   21日の保護者説明会では園長が土下座して謝罪。給食について「こんな量になっているとは認識していなかった」と釈明すると、保護者からは「そんなわけがない」などと批判が相次いだ。
   説明会後の保護者「(給食が)残ったらもったいないでしょ。余るときもありましたと(園長が説明)」「(説明会は)淡々とやね。(園長に)“悪いです”という感じはなかった
   保育士と園の間には、欠勤や遅刻をした際に給料を減額するなどの“不当な契約”が結ばれていて、姫路市は労働基準法違反などの疑いもあるとみて市は園長に詳細な説明を求めている。

カレースプーン1杯ほどのわずかなおかずを提供し、定員を大幅に超える園児を受け入れていた兵庫県姫路市の認定こども園わんずまざー保育園」。21日夕方、保護者への説明会が行われました。
「園長は謝るだけという感じで、少ないと思っていませんでしたと、食事の件は。7名くらい(の保育士)がしくしく泣いて、『守ってあげられなくてすみませんでした』と。何でやめなかったんだと問うと、『園長が)怖くてやめられなかったですと。牛乳とか、お菓子の量とか栄養士も雇ってくださいと言ったけど、それはダメだと全部却下されたと(保育士さんが)言われてました。商売ではなく子どものことを考えて経営してほしかったし、保育士さんに対しては誰かに言う勇気を持ってほしかったと思います」(参加した保護者)

【感想】
牛乳とか、お菓子の量とか栄養士も雇ってくださいと言ったけど、それはダメだと全部却下」した人間がこんな量になっているとは認識していなかった」はずがない。
   ただし、説明会の内容を見る限り、決して組織ぐるみでの行為ではなく、全ては園長のワンマン経営だったようだ。口答えもできない幼い子供達である事をいいことに、虐待同様の行為を意図的に繰り返してきた行為は卑劣としか言いようがない。以下に土下座して見せようとも、聞いている保護者に「“悪いです”という感じはなかった」という印象を抱かれるのは心に偽りがあるからである。

   しかし敢えて言いたい。厳しい言い方になるかも知れないが、やはり保育士さん達には、子供達のために、勇気を出して告発して欲しかった。内部告発は「公益通報者保護法」によって、原則として告発者を保護することになっており、「通報対象事実」の中に「個人の生命又は身体の保護」に対する犯罪行為の事実が挙げられている。命の継続に必要不可欠な食事が十分に与えられなかった今回の園児に対する仕打ちはまさしくこれに当たると考えられる。
   もともと保育所という施設の目的や役割については、「保育所保育指針解説書」のP8に次のように示されている。
 「児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場」である。

   特に保育所という子供の命の保護に当たる職場で働く人間は、これらの事を認識し、「子供の健全な心身の発達』に背く行為に対しては臆する事なく毅然とした態度で望んでもらいたい。
   また、保護者の方々にも同様に、上記のような保育所が果たすべき目的や役割に背いている場合には、子供達の為に勇気を持って保育所に対してその旨を伝えてほしい。

   子供に不利益をもたらす大人から子供達を守れるのは子供達を愛している大人しかいないのである。