以前投稿したブログで、立命館大のカウンセリングをしている臨床心理士の佐々木麻子さんによる指摘として、「大学に進学した学生が一人暮らしを始めたものの、朝自分1人では起きれないため昼夜逆転の生活になり、次第に学校から足が遠ざかるケースが毎年見られる」という事を紹介した記事を扱いました。

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 一人暮らしの中で自分で起きれないのは致命的!

  

   そこで今回は、「朝子供が自力で起きることができるようにするにはどうすれば良いか?」という事を例に、子供の生活習慣の身に付けさせ方について私の考えをお話ししたいと思います。


   方法は二通りあります。1つは子供に成功体験を与えること。そしてもう一つは子供に失敗体験を与えることです。一見相反する方法のように思えますが、どちらも最終ゴールは子供の生活習慣の定着にあります。


   まず1つ目の「子供に成功体験を与えること」についてです。これは子供に成功体験を与えることによって子供に「自分にもできそうだ」という意欲化を促す方法です。ではどのようにすれば子供に成功体験を与えることができるのでしょうか?


   まず初めに子供と話し合って、どんな生活習慣の定着を目指すか目標を1つだけ決めます。目標を1つに絞るのは、「このことを頑張ればいい」と子供に分かりやすくさせるためです。

   その結果例えば「朝◯時までに1人で起きられるようになる」という目標を設定したとしましょう。この時寝室に目標を書いた紙を壁に貼っておくとベストです。視覚情報は人間の8割以上を占めると言われているため、意識づけにはとても効果的です。また、親から「明日は一人で起きて来なさいよ」といちいち干渉されたら子供のやる気は減退してしまいますが、目標を貼っておけばそんな干渉も無用になります。

   さらにもう一つ準備が必要です。それは、子供に目覚まし時計を与えることと、家族みんなが過ごすリビングに日付が大きく書かれたカレンダーを貼っておくことです。カレンダーの設置は、子供の頑張りが家族みんなから見えるようにするためです。例えば家族でくつろいでいる時などにも、カレンダーを見て「この頃がんばっているなぁ」等と褒めることもできます。これで準備はOKです。


   子供は夜目覚まし時計をセットして就寝します。翌朝目覚まし時計の音で目を覚まし、目標を達成できた場合は、準備したカレンダーの日付を「⭕️」で囲みます。しかし、1人で起きれなかった時は何も書きません失敗したことが「❌」等で視覚的に示されてしまうと子供の意欲が減退する恐れがあるからです。この支援はあくまで「成功体験」を重視した方法なのです。

   後は毎日この繰り返しです。ただし必ず行わなければならないことがあります。それは「⭕️」をつける時に子供を褒めることです。「⭕️」をつけるのはあくまで頑張りの様子を記録に残すためであり、親から直接言葉で褒められることこそが子供にとって一番のエネルギーになるのです。

   また、1週間単位で「⭕️」の数の合計数を確認し、前の週よりも増えていた場合にも「前よりも良くなっているね」等と成長を褒めます。また、大切な事は、変わらなかったり逆に減ったりした場合には決して責めてはいけないという事です。「次は増えるといいね」等と簡単でいいので応援の言葉をかけてあげてください


   このような「成功体験」(出来る環境を作り、出来た時に褒められる体験)を重視した実践を繰り返していくと、子供の意欲はどんどん高まり、目標としていた子供の生活習慣は必ず定着します

   

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   長くなってしまいました。もう一つの「失敗体験を与える方法」については次回で紹介したいと思います。実はこちらの方が、子供が社会に出たときに生きた力となって子供を支えることになります。