【今回の記事】

【記事の概要】
東京都立川市の小学校で発生した、児童と教職員1000人におよぶ集団食中毒事件の原因は、のり製造業の東海屋(大阪市)が学校給食用に卸した「刻みのり」だと特定された。
「刻みのり」の製造元の東海屋はミスを認め、謝罪。商品を自主回収すると発表した。同社は、ノロウイルスに汚染された経緯について、のりを裁断・梱包する段階(下請けの加工業者へ依頼)で起きた可能性が高いとしている。
   厚生労働省・食中毒被害情報管理室の担当者に聞いたところ、次のように話していた。
ノロウイルス食中毒を防ぐためには、食品を取り扱う人の健康管理や手洗いの徹底が重要です。とくに、下痢やおう吐等の症状がある方は食品を直接取り扱う作業をしないようにしてください。感染が疑われる場合、最寄りの保健所やかかりつけの医師に相談してください」

②問題の「刻みのり」の裁断・梱包を行なった下請けのり加工業者社長は、「申し訳ないという気持ちですよ。そりゃ当然です。当然すぎるくらい、当然です」、「悪いのはわたしです」等と自らの過失を認めた。
   問題ののりは、大阪市のメーカー「東海屋」が製造。男性社長は、その「東海屋」の下請けとして、のりの裁断などの加工・梱包作業を委託されていた。
   同社長は、「原料を入れる際に手袋を、本当は使えばいいんでしょうが、時間がかかってしょうがないので、手で触ったのが原因じゃないかと」と語った。効率よく作業するために、「素手」で持ったのりを、裁断する機械へと入れていたという。問題の刻みのりの作業をしていたのが、2016年12月。その時の体調について、同社長は、「ノロウイルスはやっていましたね。一応やっぱり、多少吐き気がした時期がありましたし」と語った。ノロウイルスが疑われる症状があった時期に、素手でのりを触り、作業をしていたという。
   同社長は、「たまたまノロウイルスの菌があったのが問題でね。なかったら、こんな事件生じないです。(今までも同じやり方で?)1回もないです。ノロウイルスって、はっきりわかっていたら、作りませんよ」と語った。

【感想】
   ありえない乾物の刻み海苔から発生したノロウィルス汚染。原因は海苔の裁断業者だった。
「今回の記事②」によると、その社長は、手袋をせず素手で裁断作業を行なっていたことを認めている。しかもその当時、ノロウイルス感染が流行していたうえに、裁断作業を担当した社長自身が嘔吐などの症状があったというのだ。食品を扱う加工業者にあるまじき行為である。しかも、素手で作業を行なった理由について「(手袋をすると)時間がかかってしまうためと筋の通らない説明をしている。手袋をするのに一体どこに時間がかかるというのか?!
   しかし、私がそのテレビ報道を見ていて驚いた事は他にもう一つあった。それは、テレビインタビューに対して謝罪を語る社長の態度だった。いつもニヤニヤと笑いながらインタビューに答えるその態度は、「謝罪」の言葉こそ語るものの、その態度は「謝罪」とは大きくかけ離れたものだった。その様子は、上記の「今回の記事②」の映像を見て頂きたい。
   更に同社長はこう釈明した。
たまたまノロウイルスの菌があったのが問題でね。なかったら、こんな事件生じないです。
自分の意識の甘さを棚に上げて、「ノロウイルスの菌があったのが問題」と、あろうことかノロウイルスの菌」に責任転嫁したのである。

   私達は、子供たちをあのような大人に育ててはならない。この社長を反面教師として、“責任感”と“誠意を持って謝る気持ち”の大切さを再認識し、子供たちに、自分に与えられた仕事に責任感を持って取り組み、何かしらのミスをした時には心を込めて謝る態度をきちんと教えなければならない。