【今回の記事】

【記事の概要】
①昨年末、佐川急便の配達員が荷物や台車を投げ飛ばす様子が映された動画がネット上にアップされた。(※上記記事の動画にてご覧ください。)
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②宅配最大手のヤマト運輸がついに決断した。ヤマト運輸労働組合が来2018年3月期の取扱個数について、今期の数量を超えない水準におさえる総量規制を要望した。会社側もおおむね受け入れる方針というこれまでは採算が低くても荷物を受け入れてきたが、インターネット通販(EC)の拡大で荷物が増える中で単価下落と人手不足が限界点に達したようだ。

   昨年末にインターネット上にある動画が投稿された。動画には、佐川急便の配達員がマンションの近くで荷物を地面に思いっきりたたきつけたり、荷物を運ぶ台車を何度も放り投げたりする様子が記録されていた。配達員は届け先が不在の荷物を車に戻す途中に、むしゃくしゃしてやったようだ。この行為は決して許されるものではない。だが、荷物の多さに混乱する宅配業界の現実を如実に表した出来事といえよう。

あの動画を見て、とても他人事とは思えなかったああいう行動をするドライバーが出てきても不思議ではない環境にある」とヤマト運輸の幹部は危機感をあらわにする。

【感想】
   今回の記事の動画がアップされた時の世間の受け止め方はかなり厳しいものがありました。確かに、宅配荷物を投げつける行為はプロとして決して許されるものではありません。しかし人間の行為には必ずその訳があります。特に、誰かを指導する立場にある人にとっては、その人がなぜその行為に及んだのか?ということまで考えようとする姿勢が必要ではないでしょうか?
   実は、ヤマト運輸の幹部の方でさえ「あの動画を見て、とても他人事とは思えなかったああいう行動をするドライバーが出てきても不思議ではない環境にある」と語る環境にあの配達員は置かれていたのです。

   大人でさえそうなのです。ましてや年端も行かぬ子供の場合なら尚更です。例えば子供が他のお宅の窓に石を投げてガラスを割ってしまったとしましょう。その時に
「どうしてああいうことをしてしまったの?」
と、親が子どもに聞けるかどうかが大切だと思います。注意や指導するのはそのあとで十分遅くありません。「友達からいじめられてイライラしててつい…」という答えが返ってくるか、「ただの冗談で」という答えが返ってくるかによって、その後の指導の仕方も変わってきます。たとえ全面的に子供に非があったとしても、初めに子供の気持ちを受け止めようという姿勢を示したことによって、その後の注意の言葉も子供の心に響きやすくなるのです。

   人はややもすると、自分が理解できない他者の行動を目にすると、その理由を考えようともせずにその他者を悪者扱いしがちです。その顕著な例が発達障害の子供に対する言動です。特に学校現場での現実は非常に厳しく、たとえその子供に正式な診断が下り、障害名も分かり、その特性も分かっていながらも、自分の教育スタイルとのズレに教師自身が対応できない事から、障害特性を無視して厳しい叱責を繰り返す教師もいます。本来ならば、障害を持った子供の特性に教師が自分の指導を合わせなければならないところを、逆に障害を持った子供を自分の指導スタイルに無理に合わせようとしているのです。

   自分の物差しで人を測るか、人の物差しで事実を受け止めようと努力するか私達は、改めて他人の行動の受け止め方を見直さなければならないと思います。