【今回の記事】

【記事の概要】
   今回の記事は、岩手県の盛岡市にある楽器店「東山堂」のCM動画です。
   何も言いません。ハンカチをご用意のうえ、まずその動画を上記タイトルタップにてご覧ください。

【感想】
   この披露宴で娘さんが泣いたのは、不器用な父親が頑張って練習して弾けるようになったからだけではないと思います。

   この娘さんは、幼い頃から母親に愛情深く育てられてきました。特に母親がいつも弾いていた「パッフェルベルのカノン」が大好きで、自分もその曲を母親から教えてもらった事がかけがえの無い思い出でした。
   そんな幸せな家族を襲った母親の突然の死。その後、母親との思い出が詰まったピアノはただの物置きになってしまい、娘さんは、母親との思い出を大切にしない父親が嫌いになり、家を出てしまいます。
   月日は流れ、娘さんは結婚をすることになりました。そして今、披露宴で、母親との思い出が詰まったあの曲を父が弾いている。自分が大好きだった母親との思い出を、実は父親も大切に想ってくれていた。そして今、その想いを不器用ながらも一生懸命自分に伝えようとしている父の姿に感動して泣いたのではないでしょうか?

   つまり、娘さんのあの涙は、大好きだった母親との思い出無しにはあり得なかったのです。この娘さんにとって、亡くなった優しい母親こそがまさに愛着(愛の絆)を形成する対象であり「安全基地」であったのでしょう。そしてその母親は、亡くなった今でも、一度は離れ離れになった父親と娘を、自分という「安全基地」に呼び寄せて、2人の心を結びつけたのではないでしょうか?

   母親とは、家族にとって何と大きい存在であることか!それが感動的に表現されているCM動画だと思います。