【今回の記事】
保育園は“迷惑施設?”

【記事の概要】
   少子化や女性の活躍推進で、待機児童を巡る問題に関心が高まっている。しかし、読売新聞が全国の主要自治体に行ったアンケートで、保育園で子どもの出す音や声に対して、近隣の住民などから「うるさいなどと苦情を受けたことがある」と答えた自治体が75%に上った
   子どもの受け入れを増やすことが期待される中で、なぜ保育園の運営や整備が難しくなっているのか。
(中略)
   街づくりを専門に研究している千葉大学木下勇教授は次のように指摘している。
都市化で地域のつながりが薄れ顔の見える関係が失われた結果、『知らない子供の声は騒音(に感じる)』と捉えられるようになったのではないか?」

【感想】
千葉大学木下教授の指摘は、「地域内でも『脱愛着(人間同士の『愛の絆』が失われること)』化が進み、結果的に“赤の他人”としての保育園児の声をうるさいと感じるようになった」ということを意味しています。仮に自分の子供や孫が保育園に通っていれば、その声がうるさいと感じる事は無いのかもしれません。

   今後も「脱愛着」化が進めば、保育園だけでなく、様々な面で人間同士の衝突が生まれることが予想されます。今後一層、特に人間関係能力に大きな影響を与える愛着の形成を見直していかないと、ギスギスとした住みにくい社会になっていくことでしょう。この“愛着と人間関係能力の関係”については以下の記事のURLタップにてご参照ください。
愛着の話 No.13 〜愛着は「人間関係能力」を育む〜 ①

そして、精神科医の岡田氏の指摘によれば、「脱愛着」化を止めるためには、特に一歳半までの養育のあり方を見直す必要があると考えます。なお、一歳半までの養育と愛着形成の関係については、以下の記事のURLタップにてご参照ください。
人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ(修正最新版

「脱愛着」化が進むことによって、将来、私達の人間社会はどれだけ住みにくい世界になってしまうのでしょうか?