【今回の記事】
高1が涙、道に散乱した紙拾い集め 鴻巣署が感謝状…見ないふり辛い

【記事の概要】
   埼玉県の鴻巣署は4日、県道に散乱していた古紙を一人で回収した行田市在住、県立鴻巣高校1年の湯本里咲さん(16)に感謝状を贈った。見て見ぬふりをして通り過ぎる自分を受け入れられず、後先のことを考えずに一心不乱に集めた行動は、周囲の心を揺り動かした。
   自転車で通学している湯本さんは昨年12月21日夕方、鴻巣市屈巣の県道を通りがかった際、新聞紙や折り込みチラシが半径約3メートルにかけて大量に散乱しているのを目の当たりにした。一度はそのまま通り過ぎたものの、「何もしていない自分に辛くなった」と戻って来た。
   当初は古紙を自転車の前かごに積んで自宅に持ち帰ろうとしたが、収まり切れない。約500メートル離れたコンビニエンスストアへ行き、ごみ袋を買って戻り、再び拾い集めた。現場は交通量の激しい通り。湯本さんは青信号になるたびにひたすら拾い続けた
   午後5時20分ごろ、同署に「女子高生が落とした荷物を一人で拾っている。かわいそうだから助けてほしい」と連絡が入った。署員が駆け付けると、すでにごみ袋3袋分、計10キロの古紙が回収されていた。持ち帰り方法を考えていた矢先に署員が到着。安心した湯本さんの目からは涙が流れた。
   高校ではバスケ部に所属している湯本さん。学校周辺のごみ拾いなど美化活動をしてから朝の練習に取り組んでおり、「学校でもやっているので当たり前と思って拾いました」と振り返った。
   市村知孝署長から感謝状を贈られ、湯本さんは「周りの事をもっと見られる一年にしたいです」とほほ笑んだ。

【感想】
   嘆かわしい事件が多い中で、心が癒されるニュースが飛び込んできました!
   この感心な女子高生は、一度はその場を立ち去ろうと思いましたが、良心の呵責に耐えかねて、再びその場に戻り大量の紙を集め始めました。
   この子は、間違いなく、乳幼児期から両親の正しい愛情をたっぷり受けて育ってきた「安定型」の愛着スタイル(人格)の持ち主です。「安定型」の愛着スタイルの特徴は、他人や社会のためになる行動をすることについて人の目を気にしません。なお、「安定型」愛着スタイルの特徴については、以下の記事のURLタップにてご参照ください。今回の女子高校生の行いは、愛着スタイルの特徴の④に当たると考えます(「いざという時には正義感に基づく行動をとる」という意味で)。
「『安定型』愛着スタイルの持ち主の特徴 〜『愛着7』で、自分も『安定型』に変わる!

   一方で、親からの愛情が不足している「回避型」の愛着スタイルを持った人間ならば、自分だけの殻に閉じこもり、より良い行いをしようという発展的な考えには至らないでしょう。
   また、「不安型」の愛着スタイルの人間であれば、「いい格好をしていると思われたらどうしよう?」等と周囲の目を気にしてしまい、拾うことをためらうでしょう。
   なお、「回避型」愛着スタイルと「不安型」愛着スタイルの特徴と要因については以下の記事のURLタップにてご参照ください。
愛着不全にはどんなタイプがあるのか?そしてその要因は?

   更に、他者との愛着(愛の絆)が切れた自己愛(自己中心主義)の人間は、「忙しいから拾えない」と自分の都合ばかりを考えて、見て見ぬ振りをして通り過ぎるでしょう。

「安定型」の愛着スタイルを持つことによって、この高校生のような素晴らしい行動が取れるのです。いかに愛着の形成が大切か、ひいては、その愛着形成に決定的な影響を与える乳幼児期の養育の大切さを改めて感じます。なお、この“乳幼児期の養育の大切さ”については、以下の記事のURLタップにてご参照ください。
人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ(修正最新版