【今回の記事】
ゲーム感覚で良い習慣を身につける方法

【記事の概要】
   良い習慣を身につけるのは難しいものです。ほとんどの専門家が、小さな変化を続けること、つまずいても自分を責めないことをすすめています。「人生のゲーム」(ボードゲームではありません)というシステムは、この考え方を元につくられています。
   人生のゲームのやり方は、まず習慣にしたいことを3つ決めます。次に、それぞれの習慣にしたい行動をやった時のポイントを、どれくらいやる気が起こらないか、どれくらいやるのが難しいか、どれくらい自分にとって良いことか、などを元にして5点以内で決めます。
   習慣とそれぞれのポイントを決めたら、上の画像のように1週間分の表(上記URLタップにて参照)をつくり、ポイントを記入します。表の最後に、それぞれの習慣の1週間分の目標ポイントを書きます。目標ポイントを決めて失敗しにくくするのが目的です。これで、いつでも人生のゲームを始めることができます。
   一日の終りに、表にそれぞれの習慣をやったかどうかポイントを記入して、週の終わりに集計します。これは“ゲーミフィケーション“という心理学を元にしています。週末はある習慣(行動)を避けているとか、ある習慣のポイントが毎週少しずつ減っているというような、パターンをすぐに見つけるはずです。このパターンに気付きさえすれば、自分の行動に関する計画を変えたり、うまくいくために何かを変えることができます。うまくいくようになったら、目標ポイントも上げていきましょう。

【感想】
   ゲーム感覚で生活習慣の改善に取り組む。これは、子どもも楽しみながら取り組めるので、とてもいい方法です。
   この「人生のゲーム」のポイントは以下の通りです。
①頑張る目標を限定すること
②頑張り度合いを数値化すること

①まず、頑張る目標を限定することによって、子どもは何を頑張ればいいかがはっきりして取り組みやすくなります。そうでないと、やることのほとんどが中途半端になり、結果的にどれも成果を上げられずに親から叱られることになります。気をつけることは、親の目が限定した目標の方に向くことです。それ以外のことで失敗した時には多少目をつぶり、限定した目標が成功した時に褒めることにエネルギーを費やすように意識することです。限定した目標が達成されて褒められると、子どもの生活意欲が増して、限定されていない他の行動についても頑張るようになります

②次に、頑張り度合いを数値化することによって、どれだけ頑張ったかがはっきりします。そのことで、以前の子どもと比べて良くなったことが分かりやすくなることによって、「前よりも◯点良くなったね!」と褒める材料とすることができます。「子どもの褒めるところが見つからない」とおっしゃる親御さんは、「◯点でなければ合格じゃない」と絶対的な基準を自分の中に作ってしまっているからです。それだと、合格するまでの間、注意、注意の連続になってしまいます。注意ばかりされている子どもはすっかり意欲を失ってしまい、永遠に合格基準に達することはないでしょう。それよりも、低い得点からスタートしても、前回との伸びを褒められる子どもの方が圧倒的に早く合格基準に達します

   実は、以前私も似たようなゲーム感覚の取り組み方を紹介した記事を投稿したことがあります。上記の「①頑張る目標を限定すること」「②頑張り度合いを数値化すること」の他に、「③得点が一定程度に達したら、簡単なご褒美をもらえる」ことを取り入れています(大人でも何かで頑張ったら自分にご褒美をあげている方も多いと思います)。この手法を、“得点とご褒美を交換する”という意味から「トークン(「代用硬貨」という意味)エコノミー方式」と言います。このことについては、以下の記事のURLタップにてご参照ください。
なかなか直らない子どもの行動改善に効果抜群!『トークンエコノミー法

ただし、この「ご褒美」は、それをあげること自体が目的ではありません。あくまで、子どもの意欲を高めるためのものであり、真の目的は、意欲が高まった子どもを褒めることです。