【今回の記事】
①多摩川に18歳少年 全裸、先月後半から不明 川崎
②多摩川で少年の遺体発見 何らかのトラブルに巻き込まれた可能性
③死亡の18歳少年、複数の知人と金銭トラブルか

【記事の概要】
川崎市多摩区の多摩川で2日夕、横浜市に住む職業不詳の少年(18)が、水面に浮かんで死亡しているのが見つかっていたことが、捜査関係者への取材で分かった。目立った外傷はなく、司法解剖の結果、死因は水死と判明した。神奈川県警多摩署は、事件に巻き込まれた可能性もあるとみて、死亡した経緯を調べている。
   少年は11月後半から行方不明となっており、母親が2日、県警瀬谷署に行方不明の届け出を出していた
②冬の多摩川で、少年の遺体が発見された。服を身に着けていない状態で発見された、この少年は、不良グループに入っていた。その身に何が起きたのか。
   遺体の身元は、横浜市内に住む、職業不詳の18歳の少年。発見と同じ日に、母親から、息子と連絡が取れなくなったとの届けが、警察に出されていた。
   少年は、遺体発見現場から、およそ20km離れた横浜市瀬谷区のアパートで、1人暮らしをしていた。下の階の人は「今どきっぽい子。(訪ねて来ている様子は)ここの前で、しゃべっているのはあった。同年代の友達だと思う。ヤンチャふうな感じ」と話した。近所の人は、「ナンバーは、川崎ナンバーだと思う」、「いろんな車が止まっていた」、「助手席に木刀が置いてあった」と話した。
 川崎市の多摩川で全裸の状態で遺体で見つかった18歳の少年が、複数の知人と金銭トラブルになっていた可能性があることが分かりました。よく捜されていました金銭トラブルですね、一番多いのは」(少年の知人
 
【感想】
   腑に落ちないのは、「職業不詳」の「少年」が、なぜ一人暮らしをしていたのかということです。収入が無いのに家賃の支払いはどうするつもりだったのか?その点、母親はどう考えていたのか。別のニュースでは、家賃は数ヶ月滞納になっていたとのことでした。母親の世話にはならず、生活したいと考えていたのでしょうか。
   これらの事から考えると、おそらく、少年は自ら母親との絆を断ち切り、一人暮らしを始めたのではないでしょうか。母親も説得はしたのでしょうが、母親との絆を切りたがっていた少年の耳には、もはや母親の言葉は届かなかったのでしょう。しかし、もしも親子が同居していれば、もっと早く息子の不在に気がつき、警察への届け出ももっと早期に出せていたはずです。そうすれば、このような最悪の結果にならずに済んでいたかもしれません。
   母親との絆を失った少年が、「不良グループ」に入ったのは、ごく自然の成り行きだったと思います。そのグループの「ヤンチャ風」の知り合いが入れ替わり立ち代わり出入りしては、騒ぎを起こしていたのでしょう。そして、自分では用意できないアパートの家賃をその仲間に借りようとし、そこから「金銭トラブル」が発生したのではないでしょうか。
   何れにせよ、この事件は、少年が不良グループとの関係を急激に深めて行った1人暮らしを始めた時から始まっていました。一体なぜ、少年は母親との絆を断ち切ってまで、一人暮らしを始めたのでしょうか。その背景には、おそらく母親との関係の悪化があったに違いありません。子どもと母親との関係の悪化については、これまでも、何度となくこのブログで投稿してきました。このことについては、以下の記事のURLのタップにてご参照ください。
口うるさい親”に対して子どもが抱いた“殺意
酒気帯び・無免許運転の疑いで高3少年逮捕 〜どの家庭にも潜む同様の危険〜

いずれも、幼い頃から口うるさく注意をされてきた親に対する子どもの反発心が引き金になった事件ばかりです。ここでもやはり、前回投稿した、精神科医の岡田氏が最も危惧する「親の起こり癖」が深く関わってきます。
   前回は、その始まりは幼児期の「イヤイヤ期」にあるのではないかという仮説をお話ししましたが、やはりその頃からの「セロトニン6」の穏やかな支援を基盤にした「自立3支援(見守る、任せる、命令しない)」は必要不可欠ではないかと改めて感じざるを得ない事件でした。