(前回「子どもの勉強への意識が劇的に変わる5つの言葉①」の続きです)

   和田秀樹氏が紹介する「子どもの勉強への意識が劇的に変わる5つの言葉」は、以下の5つでした。
①「他の子よりできるんだから、もっと難しいのをやってみよう」
②「その本の内容をお母さんにも教えて」
③「先生の教え方が悪いだけよ」
④「親の学歴は関係ないよ」
⑤「勉強できないと食べられなくなるよ」

   この中で私が賛成できない言葉。それは次の2つの言葉です。
①「他の子よりできるんだから、もっと難しいのをやってみよう」
③「先生の教え方が悪いだけよ」

   まず、「①」については、友達と比べていることです。成長の度合いを測る時に、「◯◯ちゃんを見てごらんなさい!」と自分の不甲斐なさを他者と比べて指摘されると子どもの意欲は減退しますし、仮に自分の方が優っている場合でも、「◯◯ちゃんよりできるんだから」と言われると、子どもでも、何か友達を踏み台にしているような気まずさを感じるものです。その子の力に自信を持たせたいなら、シンプルに「あなたは力のある子なんだから」といった方が意欲が増します。
   なお、人と比べるか、自分の中で比べるか、つまり評価の仕方については、子どもの意欲を高めるうえで大きなポイントになります!この「評価方法」については、以下の記事のURLタップにてご参照ください。
日本柔道チームの選手たちはなぜ素直にメダルを喜ばないのか? 〜問題はその評価方法〜 その2

   次に「③」については、「先生の教え方より、あなたの理解力の方が優れている」と自信を持たせたいのかもしれませんが、やはり先生の悪口を言っているところがまずいと思います。先生の未熟さを踏み台にして子どもの可能性を引き立たせようとするのは、あまりにも強引で、学校での先生に対する不信感に繋がります。

   他の3つについては、その通りだと思います。ただ、④「親の学歴は関係ないよ」については、このままでは子どもにはピンとこないと思うので、あなたにはお母さんなんか比べものにならないくらい素晴らしい力があるのよ!」くらいがいいのではないかと思います。
   ②「その本の内容をお母さんにも教えて」については、子どもは「人に教える」という事を大変好みます。学校でも、「このプリントが終わった人は、『ミニ先生』になって、まだ終わっていない友達に教えてくれる?」と言うと、目を輝かせて活動します。
   ⑤「勉強できないと食べられなくなるよ」については、小学校高学年くらいになったら、教育の目的である「将来の自立」という観点から、次のような話をしてやることも社会勉強になると思います。
世の中の会社は、できるだけ優秀な人に会社に入ってもらいたいと思っている。だから、しっかり勉強しないとどこの会社でもあなたを働かせてくれないよ。働かないと、お金をもらえないから、食べるものも着るものも住むところも買えなくなってしまうし、お金を払って届けてもらっている電気やガスや水道まで止められてしまうよ。