愛着の安定性は、私たちの脳の発達にも影響を及ぼすそうです。深刻なネグレクトを受けた子どもの頭の回りの長さつまりは脳みそそれ自体の大きさが、平均よりも小さいのだそうです。詳しい事は後で述べますが、愛着行動によって、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれる「オキシトシン」というホルモンが脳内に分泌されるそうです。当然、安心感を得られなかった子供の脳にはそのホルモンは分泌されません。オキシトシンによって愛情を直に受けた脳は、まさに愛情を注がれた子どものように、すくすくと健全に育っていくのかもしれません。
   また、イギリスで行われたある研究では、母親の愛着スタイルが安定型のグループと不安定型のグループの子どもの知能指数を比べたところ、安定型のグループの子どもの方が平均で19ポイントも高かったそうです。
   さらには、子供を危険から守ってくれる「安全基地」としての母親がいる子どもは、いざという時にはその安全基地に逃げ込めばいいという見通しがあるので、安心して自分だけで探索行動を行うことができることになります。つまりはそれが「自立性」の育成につながるのです。