(前回の続きです。ご無沙汰になってしまいました。すみません。)

   また、内閣府が平成26年度に発表した調査結果によると、二十代と三十代の男女に「恋人が欲しいですか」と聞いたところ、「欲しくない」と答えた二十代の人たちの割合は、男性が39.7%、女性が41.1%という結果でした。ほぼ4割にも及ぶ人たちが、「恋人はいらない」と思っているのです。(ひと昔前は、みんなが「異性と付き合いたい」「彼女、彼氏がいないのは格好悪い」と思っていたように記憶していますがどうでしょう。)その理由は、「自分の仕事や勉強に力を入れたい」が32.9%、「自分の趣味に力を入れたい」が45.1%、そして一番多かったのは「恋愛が面倒くさい」で46.2%という結果でした。つまりは「恋愛は面倒。自分のことだけやっていたいから恋人はいらない」というこれらの結果もやはり「人間関係能力」の欠如の表れではないでしょうか。
   更に、平成27年に発表された厚生労働省の調査結果によると、母子家庭全体に占める離婚が理由であるケースの割合は、昭和63年の62.3%から平成23年の80.8%に、約20ポイントも増加しており、現在では3組に1組の夫婦が離婚しているそうです。また、別の調査では、離婚理由の第1位は「性格の不一致(考えや価値観などの違い)」と言われています。自分の考えと相手の考えとのズレをうまく調整することができない、これも人間関係能力が欠如してきていることの現れではないでしょうか。例えば、夫が乳児期に十分な愛情をかけられなかったために今のパートナーの気持ちに無頓着になりやすいタイプであり、一方妻が乳幼児期の愛情のかけられ方が親の気分次第であったがために、夫の愛情を執拗に求めたがるタイプである場合は、どうしても夫婦間の人間関係は不安定なものになりがちです。さらに、他者からの愛情を強く求め過ぎるタイプの男性を夫に持った夫婦の場合は、女性の4人に1人が経験すると言われる産後うつや、分娩の際に産道が受けたダメージを修復する際に起こるセックスに対する不快感を夫が受け止めることができず、それがきっかけで夫婦仲にヒビが入り、セックスレス夫婦に陥ってしまうこともあるそうです。(岡田2016)
(次回に続く)